HuaweiのRonald Raffensperger氏
Raffensperger氏の言葉通り、ICTソリューションではサーバ、ストレージ、そしてクラウドコンピューティング製品と、データセンターソリューションに必要な幅広い製品を擁する。現在のフォーカスはクラウドだ。クラウド分野の研究開発は2008年から進めてきたが、2013年に「Fusion」としてクラウド戦略を発表、クラウドへのフォーカスを本格化させた。2015年には中国でパブリッククラウド「华为云(Huawei Cloud)」の提供を開始した。
Huaweiのクラウドソリューション「FusionCloud」のアーキテクチャ。FusionCloudはOpenStackを土台に構築したもので、12Uのシャーシにコンピュート、ストレージ、ネットワークを一体化したコンバージドインフラの「FusionCube」、コンピュート、ネットワーク、ストレージ、管理で構成されるオペレーティングシステムの「FusionSphere」、Apache Hadoopなどを利用するビックデータ技術「FusionInsight」などで構成される。
クラウドではプライベートクラウドとパブリッククラウドの両方に必要な技術を備えており、今年は単一の事業部として組織を作り、さらなる強化を図っている。
パブリッククラウドでは、中国ではHuawei自身が提供するほか、中国の大手キャリアであるChina Telecomのクラウドを手がけた。国外ではパートナー戦略をとり、有名なものにDeutsche Telekomが2015年に発表したパブリッククラウドがある。このほか、TelefonicaもHuaweiのクラウドソリューションを利用している。
これについてDou氏は、「パブリッククラウドサービスは地域の状況によりニーズが異なる。そのニーズを熟知する地元企業と一緒に提供する」と説明した。一方で、大企業ではプライベートクラウドが継続して存在していくとの予想も打ち出した。
これらの製品やソリューションの迅速な展開の背景にあるのは、研究開発への多大な投資だ。Huaweiは売り上げの約10%を研究開発に注いでおり、2016年は767億人民元(約1.27兆円)を投じた。中国はもちろん、世界各地に1万人以上の研究開発エンジニアを擁しており、合計で3400件以上の特許を出願している。
Huaweiの法人向けICTソリューション事業は世界各地に研究開発拠点を持つ。青(シリコンバレー、トロント、欧州、中国5都市)に加え、2016年に5拠点を開設した。この中には、パブリッククラウド分野とAIの研究を進めるシアトルなどがある。