既にサーバ世界3位--Huaweiはエンプラ市場も揺るがすのか

末岡洋子 2017年08月23日 07時30分

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 Huaweiといえば、スマートフォンなどのモバイル端末、そして無線ネットワーク事業で知られる。だが、同社が新しい柱として育てているのが法人向けICTソリューション事業だ。7月、深センのHuawei本社にて急成長中の同事業について説明を聞く機会があった。エンタープライズハードウェア低成長時代にあって、Huaweiはなぜ年平均60%の成長を遂げているのか。その秘密に迫る。

すでにサーバは世界第3位ーーエンプラベンダーとしてのHuawei

 サーバ、ストレージなどでHuaweiを連想しないかもしれない。だが1987年創業のHuaweiは、後発ながら無線ネットワーク機器では今や巨人となり、スマートフォンでもAppleを脅かす存在となってきた。そのHuaweiが現在、第3の事業の柱として注力しているのが、法人向けのICTソリューション事業部だ。

ICTソリューション事業グループ マーケティング部門ディレクター、Catherine Dou氏
ICTソリューション事業グループ マーケティング部門ディレクター、Catherine Dou氏

 「2011年に立ち上げ、2013年から本格的な成長期に入った。ここ2~3年、年成長率40%で成長している」というのは、Huaweiで法人向けICTソリューション事業グループ マーケティング部門ディレクターを務めるCatherine Dou氏だ。2016年は前年比47%増で成長し、売上高は407億人民元(約6800億円)に達している。2011年から2016年まで、年平均成長率は62%と、市場鈍化に悩む既存のハードウェアベンダーがうらやむような成長率だ。

 実際、Gartnerが6月に発表した世界サーバ市場でHuaweiは、出荷台数ベースで3位についた。前年同期比19.7%増、これは0.5%のDell EMC(1位)、マイナス16.7%のHewlett Packard Enterprise(HPE)(2位)を軽く上回り、前年同期3位のLenovoを超えている。

法人向け事業は2016年は47.3%増、2011年から2016年までの年平均成長率は62%、と高い成長率で成長している。この成長率は、端末事業、ネットワーク機器事業よりも高い
法人向け事業は2016年は47.3%増、2011年から2016年までの年平均成長率は62%、と高い成長率で成長している。この成長率は、端末事業、ネットワーク機器事業よりも高い

 プロダクトソリューショングループでITプロダクトライン データセンターソリューション担当最高技術責任者(CTO)を務めるRonald Raffensperger氏は、2016年の実績として、「サーバでは出荷台数ベースでHPE、Dellに次いで世界3位になり、ストレージでは中国で売上高1位だ。プライベートクラウドでは420以上のデータセンターを構築し、200万以上の仮想マシンが動いている」と胸を張る。ビックデータは中国の銀行の上位20行中10行がHuaweiの技術を導入しているという。

 また、OpenStack、Apache Hadoopなどオープンソース分野でHuaweiの名前やロゴを見る機会は増えており、その存在感は大きくなっている。オープンソースを支援し、多数のプロジェクトを抱える非営利団体Linux Foundationではプラチナメンバーを務め、貢献度は第4位。Docker、Hadoopでは3位、Apache Sparkは第4位で、2017年にはHuaweiが発足させたビックデータの高速分析を可能にするデータフォーマットプロジェクトのCarbonDataが、Apache Software Foundationのトップレベルプロジェクトに昇格している。

フォーカスはクラウドーー「FusionCloud」

 製品ラインを見てみよう。事業部が立ち上がったのは5年前だが、Raffensperger氏によるとIT機器の開発と構築は、2002年のサーバ構築に始まり、15年の歴史を持つという。背景には、主力事業であるネットワーク機器の顧客であるモバイルキャリアが、専用ハードウェアから汎用のシステムを導入し始めたというトレンドがある。ニーズをすぐに察知したHuaweiは、汎用システムを開発・提供することで「キャリア向けの事業は大きな成功を収めることができた」とRaffensperger氏は分析する。

 Huaweiは、2006年にSymantecとジョイントベンチャー(Huawei Symantec Technologies)を立ち上げ、ストレージとネットワーク分野で製品やソリューションを開発した。2011年、HuaweiはHuawei Symantecを買い取り、ストレージ、そしてクラウドコンピューティング分野での展開を本格化した。「現在、われわれはHPEやDellよりも幅広い製品ラインナップを持つ」とRaffensperger氏は言う。

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