「効率化・自動化に優秀な人材が必要」--6年のはたらきかた改革で学んだこと

大石 良

2017-08-28 07:00

 こんにちは、サーバーワークスの大石です。

 われわれサーバーワークスは、Amazon Web Services(AWS)専業のクラウドインテグレーターとして既に10年近くAWSの導入支援、運用サポートを事業として展開していますが、実は過去6年にわたり、いわゆる「はたらき方改革」に取り組んできた歴史があります。

 なぜはたらき方改革に取り組んできたのか、途中でどのような失敗や困難に見舞われたのかーー。その経験を提供することで、「はたらき方改革」を進める上でのきっかけやヒントになればと思います。

緊急リモートワーク


 われわれの創業は2000年です。17年も前の話になりますので、はたらき方についても、最初から今のような状況だったわけではありません。2010年までは、オフィスは東京だけでしたし、普通の定時労働制、座る机も決まっているという「よくある会社の、よくあるはたらき方」でした。

 クラウドを始めた2007年も、その状況は変わりませんでした。使っているのは最先端のサービスでも、われわれのはたらき方そのものは相変わらずのスタイルを数年間続けていました。

 ところが、2011年の忌まわしい東日本震災がそんな雰囲気を一変させたのです。

 震災が起きて「出社できるかどうかわからない」という事態になり、3月11日中に全社員1週間のリモートワークを決めました。一応社内SNSのYammerのようなコミュニケーションツールはあったものの、突然「明日から家で仕事をしろ」と言われてもできるものではありません。避難訓練をしていないチームが、火事に見舞われたようなものです。

 この時、われわれはいくつかの重要な知見を得ました。

 特に重要だったことは、「リモートワークを機能させるには訓練が必要だ」ということです。それまで、口頭のコミュニケーションしかなかったところに、突然(ほぼ全てが)文字ベースのコミュニケーションツールを使っても、うまく意思の疎通が図れなかったり、いわゆる「ホウ・レン・ソウ」と呼ばれる基本的な動作がうまく回らなかったりしたのです。

ビジネスの拡大と、本格的なリモートワークへのコミット

 リモートワークへの準備はおろそかだったこともあり、リモートで働くメンバーが四苦八苦するかたわらで、出社可能な有志が集まってボランティア活動を始めました。その結果、縁あって日本赤十字社の支援、特に義援金管理システムの構築などに携わることになりました。この事例が、大規模なAWS事例として衆目を集めることとなり、突如AWS事業が伸長することになったのです。

 本当に急激で、それまで1年間に数件だった案件が突然4~5倍になったり、AWS関連の売り上げも前年比8倍になったりといった「突然」の伸びでした。

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