アクセンチュアは、8月15日、欧州、アジア、北米の金融機関(銀行・保険分野)の経営幹部を対象にした調査「Financial Services Change Survey 2017」の結果を発表した。
回答者の53%(日本では43%)が、今後1年間における変革への投資を拡大すると答え、37%が現在の投資レベルを維持する予定と回答している。
変革への取り組み
同調査は、2016年後半に実施された。日本、英国、アイルランド、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストラリア、米国、カナダのさまざまな金融機関の787人の経営幹部にインタビューを実施している。787人のうち302人は大手銀行グループ、292人は保険会社、193人はウェルス&アセットマネージャー。
アクセンチュアでは、各金融機関は、競争力を維持するためには、迅速かつ継続的に変化する能力が求められることを理解しており、多くの企業が、「アジャイル・チェンジ(機動的な組織への変革)」手法を適用して、株主の投資回収への期待に1年以内に応えようとしているとした。
しかし、同調査によると、こうした変革への投資によるメリットを得られるかどうかは企業によって異なり、レガシーシステムの運用状況や分散データの存在、組織の複雑さなどが成功を阻む要因となっていると指摘している。
そのため、ほとんどの金融機関は、革新的なデジタル技術を取り入れた新しいビジネスモデルや経営モデルの導入を検討しており、強力なリーダーシップと、機動的に対応する労働力を有する企業は競争力が高まり、そうでない企業はますます苦戦を強いられることになるとしている。