3.ネット通販大手に売上を奪われる
実際の店舗がネット通販サイトのショールーム同然となってしまうことを防ぐには、どうすれば良いのでしょうか。さまざまなモバイルエンゲージメント技術を使えば、Wi-Fiネットワークに接続した来店客とやり取りが可能になります。そして、このようなツールを使えば、スプラッシュページを離れた後もやり取りが可能になり、来店客ごとにカスタマイズしたカスタマーエクスペリエンスを提供できるようになります。
例えば、URLを読み取るツールを利用して、来店客が通販サイトの価格と比較した際に、Wi-Fiネットワークでクーポン、割引コード、カスタマイズされたメッセージなどを提案することもできるでしょう。また、Wi-Fiネットワークをチャネルとして利用して、SMS、MMS、ソーシャルネットワークなどの来店客が選択した方法で直接やり取りすることもできるでしょう。アンケートや投票をWi-Fiで配信して、顧客の好みや意見を直接的かつ正確に測定・判断し、マーケティングやビジネスの戦略に反映させる方法も考えられます。
4.Wi-Fiのデータ分析機能を活用できていない
実店舗の来店客とウェブサイトの訪問客に大きな違いはありません。訪問のきっかけ、滞在時間、購入商品などの情報は、短期的・長期的な販売促進やビジネスの意思決定の重要な指標となる可能性があります。ところが、多くの場合にWi-Fiネットワークの分析ツールが有効活用されておらず、来店客の足取りや滞在時間などの店舗の最適化やレイアウトに役⽴つ指標を得られていないようです。無線ネットワークでは、パッシブスキャン、アクティブスキャン、Wi-Fiネットワークの内部と周辺のユーザー接続から、膨大な顧客データを収集して利用することができます。これらのデータを正しく分析することで、Wi-Fiユーザーのトラフィックパターン、行動、人口統計的データが明らかになり、店舗のフロアプランやサービスの最適化に役立てることができるでしょう。
5.家族連れや子供にとってのインターネットの安全性が十分に考慮されていない
Wi-Fi環境を利用する来店客をハッカーから保護するだけでなく、⼗分な予防措置を講じて、あらゆる年齢層の来店客が、不快なコンテンツを目にすることなく、快適にインターネットアクセスを楽しめるようにする必要があります。公共Wi-Fiにおけるインターネットの安全性と有害コンテンツの排除を目的とする「Friendly WiFi」という優れた団体があります。安全なWi-Fiを提供していると認められた企業の施設や店舗には、Friendly Wi-Fiマークが目印として表示されています。
Wi-Fiには、良くも悪くも、ビジネスを大転換させる力があります。適切な保護無しにWi-Fi環境を提供してしまうと、ゲスト用Wi-Fiネットワークから顧客の個人情報がハッカーによって外部に持ち出されてしまう可能性があります。その反対にWi-Fiネットワークを適切に保護し、それを正しく活用すれば、安全で効率的なオンライン環境というメリットお客様にもたらされるだけでなく、顧客満足度と売上の向上という企業側のメリットにもつながります。