今週の明言

海外事業へ本格進出した日本ユニシス社長の決意

松岡功

2017-09-01 14:42

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、日本ユニシスの平岡昭良 代表取締役社長と、NECの高田和宏 執行役員常務の発言を紹介する。

「新設した子会社を通じて海外事業へ本格的に進出する」
(日本ユニシス 平岡昭良 代表取締役社長)


日本ユニシスの平岡昭良 代表取締役社長

 日本ユニシスが先頃、新設した全額出資子会社「キャナルグローブ」を通じて海外事業を本格的に展開すると発表した。平岡氏の冒頭の発言はその発表会見で、新たな取り組みへの決意を示したものである。

 日本ユニシスはこれまで、米Unisysとの契約で商標権を国内でしか行使できないこともあり、別のブランドで主に海外事業を展開する日系企業の支援などを行ってきた。それに対して今回は、キャナルグローブとして日本ユニシスが持つ技術や製品・サービスを、それぞれの国・地域で現地のIT企業とパートナーシップを組みながら本格的に展開していこうと、自ら乗り出す姿勢を明確にした形だ。

 キャナルグローブは活動の第1弾として、インドネシアのIT企業であるPT.INDIVARA SEJAHTERA MANDIRI(インディバラ・セジャテラ・マンディリ)グループ(ISeMaグループ)と資本提携し、同グループの東南アジア市場での事業開発の経験や知見と、日本ユニシスが培ってきたシステム開発のプロジェクトノウハウなどを組み合わせ、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するとしている。

 ISeMaグループは東南アジア4カ国に拠点を持ち、金融や通信、流通小売、製造、輸送、旅行を注力分野として、コンサルティングやソフトウェア開発などの事業を展開している。キャナルグローブによる同グループへの出資額や出資比率は公表していない。

 平岡氏は今回の新たな取り組みについて、「東南アジアは今後ますます経済の活性化が見込まれ、市場としての魅力が高まっていくと見ている。そこで、キャナルグローブの第1弾の活動としてこの市場にフォーカスし、ISeMaグループとパートナーシップを組むことにした」と説明した。


平岡氏と倉田氏による会見の様子

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]