サイバーセキュリティ未来考

IoT化で高まる製品向けのインシデント対応--「P-SIRT」が本格化

吉澤亨史 2017年09月11日 06時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「P-SIRT」とは?

 IoT(Internet of Things)が急速に広まっている。さまざまな“モノ”がインターネットにつながることで付加価値が生まれ、同時にインターネットの脅威にもさらされることになる。IoT機器に脆弱性があれば、それをインターネット経由で悪用され、IoT機器に誤作動を起こさせたり、別のサイバー攻撃に悪用される可能性もある。そこで、製品の設計段階から出荷後までを対象に、問題発生時に対応する「P-SIRT」を設置する動きが高まっている。

 組織がサイバー攻撃などを受けた際に、インシデントに対応する機能として、「CSIRT」(Computer Security Incident Response Team)がある。CSIRTのメンバーは経営層を含む各部署の社員で構成される横断組織となっており、多くの場合は消防団のように、通常は本来の業務を行い、インシデント発生時に招集される。そして、インシデントの原因究明や証拠保全などを行う。また、脅威情報などを共有する際の他組織との窓口としての機能も担う。

 このCSIRTの考え方を、製品(プロダクト)に当てはめたものが「P-SIRT(Product-Security Incident Response Team)」だ。あくまで呼称であり、正式な名称として定義されている言葉ではないが、既に多くの企業がP-SIRTを構築している。なお、独立系ITコンサルティング・調査会社であるアイ・ティ・アール(ITR)は、P-SIRTを「製品のセキュリティや脆弱性対応などを行う専門チーム」としている。

 P-SIRTもCSIRTと同様に、通常メンバーは本来の業務を行い、メンバーには経営層も加わっている。また、メンバーは製品の開発から設計、製造、品質管理、さらに保守・アフターサービスなど一連の流れに沿って配置され、販売後の製品のインシデントについても対応する。インシデントの内容によってはリコールもあり得るため、経営層の参画が重要になる。

 インシデント対応についてもCSIRTと同様に、「準備」「検知・分析」「封じ込め・根絶・復旧」「事後対応」の4つのフェーズを回していくことになる。また、P-SIRTの構築に合わせ、製造における各工程にインシデント対策を加えるケースも多い。一方でCSIRTのような、インシデントや脆弱性に関する情報交換の窓口としての機能は少ないようだ。

P-SIRTの活動イメージ''
P-SIRTの活動イメージ

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化