IoTが現時点で抱えている難問は、市場の動きが定まっておらず、あまりにも多くの選択肢が存在している状況にあるという。
最善のIoTプラットフォームの選択/構築は、2017年を生きるITリーダーにとっておそらく最も重要な課題となっているはずだ。ただ、この課題に取り組むなかで、同分野に渦巻くさまざまな喧噪(けんそう)や人々、混乱に当惑させられる人がいても仕方のないことだろう。McKinsey & CompanyのEric Lamarre氏とBrett May氏の最近のブログ記事によると、「IoTプラットフォーム市場は成熟しきっておらず、150以上の選択肢がある状況」が難問をもたらしているという。
提供:Joe McKendrick
IoTプラットフォームにはさまざまな要素が絡み合うため、多くの人々が慣れ親しんでいる典型的なテクノロジプラットフォームよりもより複雑だというのが両氏の考えだ。こういった新プラットフォームは、あらゆるデバイスやセンサ、アプリとともに、それらを支えるテクノロジとも連携する必要がある。
McKinseyの著者らは、「アプリだけではなく、テクノロジ環境全体に目を向けてほしい」と記すとともに、「さほど重要でない部分については、代替可能な、あるいは既製のテクノロジを使用してほしい」と記している。
また、IoTはあらゆる業界にとって、さらにはすべての企業にとって、それぞれ異なるものであることも忘れてはならない。スポーツ用品会社にとっては、センサ搭載型スニーカーを意味しているかもしれない。あるいは、製造業を営む企業にとっては、製造現場のツールへのセンサの埋め込みを意味しているかもしれない。保険会社にとっては、契約者の自動車への各種センサの取り付けを意味しているかもしれない。
要求や応用分野はこのように多岐にわたっているものの、優れたIoTプラットフォームを生み出すうえでの本質的とも言える共通要素が存在している。以下は、効果的なIoTプラットフォームを生み出すうえで忘れてはならない重要な点だ。
ハイブリッドアプリ環境に向けて進んでいく。Lamarre氏とMay氏は、市販アプリとカスタムアプリを組み合わせ、連携させることを示唆している。「多くのプラットフォームには、『iPhone』に出荷時点から搭載されている株価アプリや天気予報アプリのような、すぐに使えるアプリが1つ、あるいはそれ以上含まれる。そして、非常にシンプルなアプリがしばしば最もよく利用される」というのが彼らの見解だ。それと同時に、「プラットフォームのプロバイダーが、あなたの会社が抱えている問題を同じ視点から理解してくれない」がゆえに、カスタマイズしたアプリを追加せざるを得ない場合もあるという。同様に重要な点として、「プラットフォームを他のものに変えようとした際にポーティング作業が行えるよう、一般的なサービスを用いてアプリをコンテナ化する方法が開発環境内で提供されていることの確認」がある。これらに加えて、企業資源計画(ERP)や顧客関係管理(CRM)のような既存の大規模アプリを統合する能力もプラットフォーム決定における重要な要素となる。