サーバは誰かが作らないといけない--ハードにこだわるスーパーマイクロ

國谷武史 (編集部) 2017年09月28日 14時00分

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 企業システムの仮想化統合やクラウドへの移行が進み、サーバを中心とするハードウェア市場の縮小が続いている。多くのサーバベンダーが事業の売却あるいは縮小を図る中で、Super Micro Computerは年率2桁成長を続ける。ハードウェアにこだわるという同社の戦略をテクノロジ&マーケティング担当シニアバイスプレジデントのTau Leng氏に聞いた。


Super Micro Computer テクノロジ&マーケティング担当シニアバイスプレジデントのTau Leng氏

 Super Micro Computerは、台湾出身で社長兼最高経営責任者(CEO)のCharles Liang氏が1993年に米国カリフォルニア州サンノゼで起業した。現在もサンノゼを中核に、製品開発を行っている。Leng氏は、同社の成長に3つの理由があると語る。

 1つ目は、同社が「ビルディング・ブロック」と呼ぶ設計思想だ。「他社は単一の製品を提供しようとするが、ユーザーが利用するアプリケーションはさまざまで、システムも異なる。われわれは将来を見据えた製品を開発し、ユーザーにとって最適なユニットを選んでラックに組み上げていける」という。

 2つ目はシリコンバレーの中心であるサンノゼという立地。「われわれの拠点からパートナーであるIntelやAMD、NVIDIAまで5分から10分ほどで行ける。Time to marketが重要であり、ITの集積地で彼らの最新情報を最も早く得られる」。3つ目には、ハードウェアエンジニアリングを挙げる。「サーバ効率に注目し続け、冷却や電力消費を追求している。これらはデータセンターの効率を高めてTCOの削減につながり、ひいては地球環境にも貢献する」

 同社は、こうしたハードウェアの設計開発に対する“こだわり”に加え、ハードウェアを効果的に運用していくためのソフトウェアやサービス、保守も含めたトータルソリューションを提供することで成長を続けていると、Leng氏は強調する。

ハードは誰かが作らないといけない

 ハードウェアビジネスが厳しくなる背景には、仮想化統合やクラウド移行に伴う販売数量の減少に加え、製品のコモディティ化によって、メーカーが独自色を打ち出しにくくなったことがある。

 Leng氏は、同社が必ずしも販売数量を追いかけるだけでなく、製品による価値をユーザーにどれだけ提供できるかが重要だと話す。

 「われわれと他社とは、ハードウェアに対する考え方が根本的に異なる。他社のように事業を売却したり、製造を外部に委託したりするのでは技術的な資産を持てない。われわれは基本的な技術を含めて自ら資産を持ち続けることで常に最適化を図れるし、ユーザーニーズに即した製品を開発していける」

 その上で、「ハードウェアは誰かが作らなければならないし、ハードウェアを手掛けていること自体がわれわれの最大の強みだ」という。

 かつてのように大量のハードウェアを調達するというユーザーは、いまではデータセンターサービスなどの事業者が中心になり、多くの企業ではクラウドなどにシフトしつつある。だが、「その変化は何年も前から言われ続けていることだし、われわれはそれをマイナスにはとらえていない。ビルディング・ブロックのソリューションによって、Tier 0からTire 4までの異なるユーザーのニーズに対応している」と話す。

 また同社は、Intelとの協業を通じて最新プロセッサを採用した製品をいち早く投入することでも知られる。7月に発表されたSkylakeアーキテクチャベースの「Xeon Scalable ファミリ」についても、これに対応した「Supermicro X11」シリーズを発表した。

Xeon
Xeon Scalable対応X11 BigTwinのマザーボード。24DIMMスロットの高密度実装ながら最適なエアフローを考慮した設計がなされている

 Leng氏によれば、例えば、Xeon Scalableの特徴の1つであるメモリの大容量化に対しても、主力モデルの「X11 BigTwin」で冷却効率と性能のバランスを最適化した設計を行ったとのこと。国内のユーザー企業が同モデルの大規模導入を既に決めているという。

 企業では今後、ビッグデータや人工知能(AI)、IoTなど、これまで以上に大規模なデータや処理能力が要求されるアプリケーションへのニーズが高まるとみられる。それらを稼働させるには、やはりハードウェアが欠かせない。Leng氏は、「企業が新しいテクノロジを採用するには時間を要するが、将来を見据えた製品の開発と、ユーザーにそのプランニングをできるソリューションが重要だ。日本のユーザーにも将来像をしっかり伝えることに取り組みたい」と語る。

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