ブランドが一新された第1世代の「Intel Xeon Scalable Processor Family」(Xeon Scalable)は、14nm製造プロセスで作られていた「Skylake」コア(第6世代Core iプロセッサ)を使用している。ただしXeon Scalableは、コンシューマー向けのSkylakeコアとは異なり、サーバ向けの機能が追加されている。製造プロセスも第6世代Core iではなく、第7世代Core iプロセッサの「Kabylake」コアで使われている14nmの改良版が使用されている。
コア性能の進化
Skylakeコアでは、Xeon E7/E5 v4が使用する「Broadwell」コア(Xeon E7/E5 v4)から、1クロックで実行できる命令数(IPC)が増えた。この改良により、20~30%の性能アップを果たした。
IPCを増やしているのは、命令を読み込む段階で、より高い精度の分岐予測や効率の高いプリフェッチが採用されているためだ。また、デコーダのスループット向上、スケジューラや実行エンジンの改良、ロード/ストアの帯域幅の向上、ロード/ストア バッファの深化、プリフェッチの改良などが行われている。
Xeon Scalableは、前世代のXeonに比べて大幅にパフォーマンスがアップしている(米Intel発表会資料より。以下表記の無い場合は、同様の出典)
Xeon ScalableではSkylakeコアを使用する。分岐予測、デコーダのスループットなど、コアの性能がアップしている(日本での発表会資料より)
第6世代のCore iプロセッサ(Skylake)と、第1世代のXeon Scalable(Skylake-SP)で異なるのは、命令セットの「AVX512」の存在だ。
AVX(Advanced Vector Extensions)は、並列データ処理を行う命令で、Skylakeでは、256ビットのAVX2.0をサポートしていた。Xeon Scalableでは、AVXの演算ビットを2倍にしたAVX512がサポートされている。AVX512は、人工知能、機械学習、ビッグデータ処理などに大きな威力を発揮する。実際、AVX512が採用されたプロセッサとしては、ビッグデータ処理などを行うメニーコアのXeon Phiでサポートされている。
AVX512に採用によって前世代のAVX2に比べると、2倍の処理が行える
AVX512に対応した開発ツールやライブラリがIntelからリリースされている。ソフトウェア開発面からも支援は万全だ