ハードから読み解くITトレンド放談

サーバ向け新プロセッサのXeon Scalable--アーキテクチャで探るその中身 - (page 4)

山本雅史

2017-08-07 06:00

セキュリティと障害対策

 セキュリティ機能としては、Intel TXT-OTA(One Touch Activation)とIntel PTT(Platform Trust Technology)、Intel Boot Guardが追加されている。

 Intel TXT-OTAは、セキュリティを高めるIntel TXTを簡単に設定できるように改良された。Intel PPTは、システム全体の正常性をチェックする。また、Intel Boot Guardは、システムのブート時に正常性を確認する(Root of Trust)を実現する。

Xeon
Xeon Scalableでは、エンドツーエンドでセキュリティを保っている。これにより、一貫して高いセキュリティ性を示している
Boot
Boot Guardにより、コールドブート時からファームウェアを保護している
Intel
Intel PTTは、Intel MEの機能を使ってOSやBIOSの正常性を検証することができる

 システムのハードウェアトラブルを回避するRAS(信頼性、可用性、保守性)機能としては、Xeon E7/E5に入っていたIntel Run Sure Technologyで、Xeon Scalableから「エンハンスドMCAリカバリー」「Adaptive Multi-device error Correction」の2つの新機能が追加されている。

 これらは「Intel Run Sure Technology」により、メモリやPCIeインターフェースにエラーが起こった場合でも、エラーの起こったメモリモジュールやPCIeインターフェースだけを切り離し、低いパフォーマンスでも、システムがストップしないように継続して動作するようになっている。管理者としては、OSや管理ツールなどからアラートに従い、システムダウンをスケジューリングして、ハードウェアトラブルを解消することができる。

 Xeon Scalableは、ハードウェアにトラブルが起きても、一瞬でシステムダウンに至らないようIntel Run Sure Technologyが用意されている。Xeon E7/E5でもIntel Run Sure Technology機能が用意されていたが、Xeon E7とXeon E5では、サポートされている機能が異なっていた。今回Xeon Scalableになったことで、Intel Run Sure Technology機能も同一になっている。ただし、最上位モデルと一部のミドルモデルは、Intel Run Sure Technology機能を全てサポートしているが、最下位モデルはIntel Run Sure Technology機能をサポートしていない。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    KADOKAWAらの事例に学ぶ、2024年サイバー攻撃の傾向と対策

  2. セキュリティ

    MDMのよくある“12の悩み”を解決!Apple製品のMDMに「Jamf」を選ぶべき理由を教えます

  3. ビジネスアプリケーション

    CIO必見、経営層に響く「AIエージェント導入」説明--7つの役職別シナリオで解説

  4. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  5. セキュリティ

    「100人100通りの働き方」を目指すサイボウズが、従業員選択制のもとでMacを導入する真の価値

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]