「Intel Xeon Scalable Processor Family」(Xeon Scalable)の2ソケットサーバは、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)のベンチマークとして行われているLINPACにおいて2.27倍の性能を示している(前世代のXeon E5とPlatinum 8180との比較)。一般的なデータベースにおいても1.5倍の性能を示した。
2ソケットサーバのベンチマークは、全てのテストで前世代を上回っている。HPCのベンチマークに使われるLINPACKは2.27倍の性能。これは、AVX512の利用が大きい(日本での発表資料より)
幾つかの企業や研究所には、Xeon Scalableのサーバが早期導入されており、実際のシステムやベンチマークが行われている。例えば、スーパーコンピュータなどを使って、気象予測や地球環境のシミュレーションなど行うWeather Research and Forecasting(WRF)モデルでXeon Scalableのベンチマークを行うと、1.41倍(512キロ四方)、1.35倍(2.5キロ四方)という結果を示している(Xeon E5-2697 v4とGold6148との比較)。
WRFモデルのシミュレーションでは、前世代の1.41倍の性能を出している。地球をさらに細かく分割してシミュレーションしても、1.35倍の性能だ(米Intel資料より。以下表記のない出典元は同じ)
乱数を使ったシミュレーションのモンテカルロ法においては、AVX512(命令セット)を利用することで、3.1倍の性能を示している(Xeon E5-2697 v3とGold6148との比較)。モンテカル法は、事前予測が難しい乱数を使い、数万回、数十万回シミュレーションして、統計的な結果を導き出すシミュレーションだ。
こういったシミュレーションに関しては、ベースになる数値を変えて、何度もシミュレーションすることが重要だ。シミュレーション回数が増えるほど、統計的な結果が出てくる。ただ、複雑な計算が必要になる。1回あたりの計算時間が長く、数万回のシミュレーションを行うのに1年、10年かかるようでは、ビジネスには使えない。古いサーバでは10日かかるシミュレーションでも、Xeon Scalableによって3日で済むなら、実際にビジネスで利用できる。
モンテカルロシミュレーションでは、2つ前の世代のXeon E5 v3を「1」として、3.1倍の性能を示している。前世代のXeon E5 v4とv3では、1.3倍の性能差しかなかったことを考えれば大幅な性能アップだ