米Oracleは10月3日、財務、調達、プロジェクト管理向けに「Oracle Enterprise Resource Planning(ERP) Cloud」の機能と対象分野の拡大を発表した。
ERP Cloudは「Oracle Cloud」を通じて利用する財務プラットフォーム。世界85カ国、4500社以上が採用する。「Oracle Cloud Applications Release 13」の一環として、Financials(財務・会計)、Procurement(調達)、Project Portfolio Management(プロジェクト・ポートフォリオ管理)(PPM)、Enterprise Performance Management(エンタープライズ・パフォーマンス管理)(EPM)の各最新機能を追加し、新たにAIにも対応する。
AI対応では、新たにAdaptive Intelligent Apps for ERPが組み込まれ、仕入先から提示される支払い条件を精査し、キャッシュ管理を最適化できるようにする。また、特定のビジネスニーズのために、適切な仕入先の選定も支援する。
財務・会計では、Accounting Hub、Revenue Management、Bill Management、Credit Management、Dynamic Discountingの機能が追加された。
Accounting Hubは、連携された外部システムからの大量のトランザクションを処理するための補助元帳インターフェース取り込み機能。分散したシステムからのデータを基に標準化された財務と管理会計ポリシーに統合することで、コンプライアンスや監査機能を強化するとともに、インサイトや多階層のドリルダウン機能を用いて各種管理レポートを提供する。
Revenue Managementは、新会計基準(IFRS16/ASC 842)への対応を進めるソリューション。契約上で規定された検収基準が満たされた際に収益を計上することができ、複雑な検収スケジュールを請求書発行スケジュールと関わりなく管理できる。
Bill Managementは、請求、回収にかかるコストを削減すると同時にカスタマーサービスを向上させる機能。直感的でモバイルに対応した顧客向けのウェブポータルから、顧客の都合に合わせたセルフサービスの請求管理が行える。
Credit Managementは、顧客の信用度を監視し、受注時に与信判断のための情報を提供する。キャッシュフローを改善すると同時に、包括的な与信プロフィールやポリシー、信用評価プロセス、サードパーティの信用情報の統合などフレキシブルな格付けモデルを通じて請求処理の効率を高めることが可能となる。
Dynamic Discountingは、社内外の仕入先データをリアルタイムに評価し、機械学習を活用して、期日前割引の適用などの最適なダイナミックディスカウント候補を提案する。