NECは10月17日、顔認証エンジン「NeoFace」を採用した商品群の拡充を発表した。APIの展開を強化することで、新たにクラウドサービス化やサードパーティーのアプリケーションとの連携を図る。
NeoFace商品では、これまでPCログオンの「NeoFace Monitor」や、監視カメラなどと連携する「NeoFace 顔認証システム導入セット」を提供している。新たに、クラウドサービス版の「NeoFace Cloud」を追加するほか、NeoFace Monitorではサードパーティーの業務アプリケーションへのログインにも顔認証を利用できるようになる。
NeoFace Cloudは、スマートフォンやタブレット端末のアプリケーションに顔認証機能を組み込み、認証処理をクラウド上で行う。同社では、イベントや屋外の業務現場、店舗などでの来店顧客の把握といった利用シーンを想定している。
例えば、屋外の業務現場では、まずモバイルアプリケーションと端末のカメラでユーザーの顔画像を撮影し、同社の国内データセンターに登録する。次回以降は、利用時に顔を撮影するとアプリケーション側で特徴量を抽出し、この特徴量をAPI経由でクラウド上に登録されている顔画像の特徴量と照合することにより、認証する。
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NeoFace Cloudは、10月に徳島県で開催された「ラフティング世界選手権2017」の来場者向けスタンプラリーイベントでも利用された
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顔画像から抽出した特徴量で認証するため、クラウド経由でも数秒で処理が完了する
サービスは同日から提供しており、利用料は認証を行う端末数や人数の規模で異なるが、認証する人数が多いほど、1人あたりの単価は月額数十円から数百円ほどだという。
一方、19日から提供するNeoFace Monitorの最新版(V3)では、API経由で同社のソリューション開発プログラムに参加するベンダーの製品でも顔認証が行える。当初はオービックの「奉行」シリーズや、フルタイムシステムのオートロックの顔認証セキュリティサービスなどで予定している。
企業などでは、PCのログオンや各種業務システムのログインに、異なるアカウントやパスワードを設定し、ユーザーに都度入力したり、定期的な変更あるいは推測の困難な文字列の設定といった運用ルールの順守を定めたりしているが、ユーザーにとって負担になるケースが少ない。最新版では、認証手段を顔認証に切り替えることで、ユーザーの利便性を高められるという。
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PCでのNeoFace Monitorによる顔認証
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業務アプリケーションへのログインもできる
この他に、NeoFace 顔認証システム導入セットでは、12月から無停止電源装置内蔵モデルをオプションで提供するという。