多くの超富裕層を顧客に持つマシュレク銀行では、同社の音声コミュニケーションプラットフォーム「Avaya Aura」と、アプリ開発プラットフォームである「Avaya Breeze」上にウェブビデオシステムを構築した。そしてコールセンターとウェブビデオシステムを接続し、リアルタイムでドキュメント共有などができる環境を整えた。これに専属の顧客担当者が持つ情報を組み合わせることで、手厚い顧客サービスが提供できるという。
![Avayaコンタクトセンタープラットフォーム概要(出典:アバイア)](/storage/2017/10/17/df31aadc1730c405956effae85a6bdd0/171016_avaya_04.png)
Avayaコンタクトセンタープラットフォーム概要(出典:アバイア)
![Avaya International プレジデント Nidal Abou-Ltaif氏](/storage/2017/10/17/528824fdb03d54af24c982d8acb7d83b/171016_avaya_05.png)
Avaya International プレジデント Nidal Abou-Ltaif氏
「Breezeが他のアプリ開発プラットフォームと一線を画しているのは、SIP(Session Initiation Protocol)ベースのプラットフォームであるAuraと連携していることだ」と担当者は強調する。音声(コールセンター)との接続性を確立したうえで、顧客に必要なコミュニケーションツールや社内の顧客関係管理システム(CRM)などと連携できるのが強みだ。
具体的には、オムニチャネルを提供するためのスナップインの集合体である「Avaya Oceana」を活用し、CRMとウェブビデオ、そしてコールセンターをシームレスに連携させられる。「多くの企業では、CRMとコールセンターを別々に運用している。両者をシームレスに連携できるのがBreezeの優位性だ」(担当者)だという。
Avaya Internationalのプレジデントを務めるNidal Abou-Ltaif氏は、「ソーシャルメディアやチャット、ビデオメッセージングなど、企業は顧客との間に複数のタッチポイントを有するようになった。われわれは、すべてのタッチポイントで顧客体験を向上させる。これらをコールセンターと連携させることで『コミュニケーション』を超え、(信頼関係を強化する)『エンゲージメント』が実現できる」と語る。
![台湾の王道銀行(O-Bank)アプリ。支払い、ローン申請、投資など全てアプリ上で可能。ウェブチャットやメッセージング機能も包含されている](/storage/2017/10/17/79966a7e193e3e57c22910b0c129052a/171016_avaya_06.png)
台湾の王道銀行(O-Bank)アプリ。支払い、ローン申請、投資など全てアプリ上で可能。ウェブチャットやメッセージング機能も包含されている
モバイルアプリからすべての銀行手続きが可能に
例えば、実店舗を持たないデジタルバンクの王道銀行(台湾)は、Breeze上にウェブビデオやチャット、メッセージングツールを構築し、オンラインチャネルで銀行サービスを提供できる仕組みを構築した。さらにこれらをモバイルアプリやウェブページ、王道銀行とのシステムと連携させた。これにより、顧客の情報を一元管理し、コールセンターが有する情報と連携させることで利用者に対して必要な最新情報をリアルタイムで提供できるという。
同行でエグゼクティブバイスプレジデントを務めるTom Lin氏は、「顧客は振り込みや投資、さらに融資申請までをモバイルアプリ上で完結できる。一方、われわれは運用の迅速化と運営コストの削減で高い利益率を確保できる」とそのメリットを強調する。
また、今回はIoT(Internet of Things)や店舗のスマート化を実現するサードパーティーのソリューションなども披露された。
AvayaはBreezeと連携するソフトウェア開発キット(SDK)を公開している。サードパーティはSDKを利用し、独自ソリューションを開発できる。例えば、小売店舗では、iBeaconや画像認識ソフト、デジタルサイネージの内部センサなどから収集した情報を分析して顧客の属性を判断したり、人の流れをリアルタイム分析し、商品棚の最適化を図ったりすることができるという。
![IoTやスマート化ソリューションの活用デモも披露された](/storage/2017/10/17/9806f86b1661f7b4dd4cc6997c334d63/171016_avaya_07.png)
IoTやスマート化ソリューションの活用デモも披露された
こうしたパートナーとの協業についてAbou-Ltaif氏は、「顧客が求めるアプリやツールをAvayaがすべてカバーできるわけではない。SDKを提供し、オープンなプラットフォームにすることで、顧客が必要とする新技術やソリューションをパートナーとともに迅速に提供していく」と説明した。