Inkwood Researchが発表した新たな分析レポートによれば、協働ロボットの世界市場は2025年までに純利益約92億7000万ドルに達する見込みだという。
2016年に2億6300万ドルだったことからすると、これは年平均成長率49.14%で拡大を続けていくことを意味している。2008年にUniversal Robotsが初期の協働ロボットである「UR5」を発売するまで、この市場がほぼ存在していなかったことを考えれば、驚くべきペースだ。
またこれは、多くの中小企業が人件費を削減し、生産性を向上させる手段としてロボットを検討するようになっていることを示している。協働ロボットはコボットとも呼ばれ(collaborative robotを縮めてcobotとされている)、その多くは3万ドル程度で購入できる。
コボットとは何か
コボットは、通常1本から2本のアームを持つ小型のデバイスで、簡単にプログラムでき、ピッキングや精密組み立てのための部品の配置まで、さまざまな日常業務を行わせることができる。
これらのロボットは、それ自体がプラットフォームになっている。エンドユーザーは、ABBやUniversal Roboticsなどの会社が提供するベースモデルを、さまざまなセンサやエンドエフェクタ(多指ハンドなど)と組み合わせることで、ロボットを多種多様な用途にカスタマイズできる。
現在もっとも一般的な用途は、梱包、組み立て、マテリアルハンドリング、マシンテンディング、品質テストなどだ。
エンドユーザーには、自動車産業、電機産業、半導体産業、食品飲料業界、プラスチック・ポリマー産業、航空宇宙産業、金属・機械加工産業などの顧客が含まれる。
コボットと従来の産業用ロボットの主な違いは、特定のタスクを前提としていないことと、人間と同じ現場で安全に運用できることだ。力覚センサやその他の安全性メカニズムが設計に組み込まれており、例えば、組み立てラインの作業員にぶつかるといった予期しない接触が起こった場合には、行動を停止する仕組みになっている。
このため、コボットは安全柵の中に閉じ込めておく必要がない。