「2007年当時、クラウドを信じている人は少なかった」とMnNamara氏は振り返る。当時のOracleを示唆しながら、「シリコンバレーの企業の幹部ですら、クラウドが選択肢になるという考えを否定していた」とも述べる。Workdayを採用した理由として、「平均的なシステムではなかった」「Workdayチームのコミット」の2つを挙げる。
前者については、「SaaSモデルで継続して進化、改善して新機能が追加されるというシステムは新しいものだったが、われわれはこれを受け入れた。リスクだったかもしれない。だが、われわれにとっては平均的な並みのシステムに巨額を投じる方が、リスクだった」とMcNamara氏は述べる。「競争をリードすることは成長を維持する唯一の方法。そこでは、最先端のシステムによる支援が必要だ」。また、幹部レベルでそのようなシステムを受け入れることも重要だ、と続ける。
グローバルの展開が容易である点もクラウドの魅力だった。「顧客も従業員も世界におり、たくさんの情報を見なければならない」とMcNamara氏。
後者については、Workdayを「パートナー」と呼びながら、「われわれが継続して成功するのをシステムで支えるというコミットが強かった。一緒に何かを達成できると感じた」と述べる。
Workday導入を皮切りに、Flexはデータソースを1つにし、リアルタイムの情報をみて行動を起こすことができる「Flex Platform」を構築している。「物理システム」「エンドツーエンドのサービス」「リアルタイムの情報」の3層があり、それぞれでイノベーションを図る。Workdayが含まれるリアルタイムの情報とは、リアルタイムでのデータの可視化、分析、実行を行うレイヤで、人事データ、工場からのデータ、サプライチェーンのデータなどをリアルタイムでみて、インタラクトしている。これは、McNamara氏が描く「インテリジェントな時代」の生き残りに重要になる。