調査

8割が働き方改革に着手、ICTの積極活用は7%--日本オラクル調査

藤本和彦 (編集部)

2017-11-02 07:00

 日本オラクルは11月1日、企業の管理職を対象とした働き方改革とICT活用に関する調査結果を発表した。約半数の企業が働き方改革の目的を生産性向上に置いているものの、生産性向上への取り組みは十分とはいえず、積極的に現状を変えようという意識が低いという状況が浮き彫りとなった。

 2020年までに日本の人口は250万人減少し、2050年には総人口が1億人を割り込むと推定されている。また、2020年には人口の約3割が65歳以上の高齢者となり、少子高齢化への対策が喫緊の課題となっている。さらに、日本の労働生産性は経済協力開発機構(OECD)主要先進7カ国中の最下位だ。熱意のある社員の割合(6%)に至っては139カ国中132位という極めて低い状況となっている。

 一方、経済産業省は2017年4月から働き方改革の第2章をスタートさせており、「企業の生産性向上」「多様な人材の柔軟な働き方」「人生100年時代」という観点から企業競争力を高めるための働き方改革のあり方について検討している。

82%が働き方改革を実施中

 今回実施された調査では、全体の82%が何らかの形で働き方改革に取り組んでいることが分かった。内訳は、「積極的」とした回答が38%、「一部」とした回答が44%だった。改革の目的については「生産性の向上」(48.7%)がトップ。「ワークライフバランスの実現」(44.9%)、「コンプライアンスの遵守」(41.3%)と続いた。

従業員100人以上の国内企業で働く部長職以上の管理職412人を対象として2017年10月に実施
従業員100人以上の国内企業で働く部長職以上の管理職412人を対象として2017年10月に実施

 これについて、日本オラクル 執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 HCMクラウド事業本部長 金翰新氏は「8割の企業が何らかの形で働き方改革に着手しており、十分に意識されていることが分かった」と話す。

 では、どれほどの効果を実感しているのだろうか。調査によると、約半数の49%が効果が出ていると回答。「残業時間の削減」(57.8%)や「有給休暇の消化促進」(38.7%)といった取り組みに効果があったとしている。労働環境の改善に注力している企業の実態を明らかにしている。

 一方、人事評価や勤務制度などへの落とし込みには課題があるようだ。働き方改革としてうまくいっていない取り組みについては、「人事評価指標・方法の変更」(25.5%)、「柔軟な勤務制度の導入」(22.9%)が上位に挙がった。「働く動機がそれぞれ違うため、制度と労働の間にギャップが生じているのではないか」(金氏)と分析する。

 働き方改革への阻害要因としては、「社風や文化、他人への責任転嫁で、当事者意識が薄い」(同)と指摘。「社風・文化へのフィット」(33.8%)、「一般社員の強いコミットメント」(20.9%)、「管理職の強いコミットメント」(18.5%)、「経営者の強い推進力」(18.2%)を合わせると計70.5%となる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]