調査

非効率なシステムでセキュリティ管理者は週10時間を失う--LogRhythm

Eileen Yu (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-12-27 10:50

 LogRhythmが最近公開した調査の結果によると、ソフトウェアシステムやプロセスの能力が不十分であるためにセキュリティチームの作業効率が低下し、1週間あたり推定10時間が余分に費やされているという。

 LogRhythmの依頼を受けてWidmeyerが実施したこの調査は、アジア太平洋地域と米国、英国におけるIT部門の意思決定者751人を対象としたものだ。同調査によると、回答者の3分の1以上が自社のセキュリティチームの作業時間のうち、より優れたソフトウェアがあれば不要であったはずの時間は1日あたり少なくとも3時間にのぼると答えている。

 また回答者の大半は、セキュリティ管理者の作業時間のうち、ソフトウェアの機能不足に起因して費やされる時間が、平均すると1週間あたり最大10時間に及ぶと答えている。

 その一方で、アジア太平洋地域におけるIT意思決定者の56%は、サイバーセキュリティの脅威を優先順位付けするうえでソフトウェアに依存していると答えている。

 回答者全体の88%は、自社を守っていくうえで社内の脅威が大きな懸念となってきていると捉えている。このため、ソフトウェアへのこうした依存はますます重要性が高まっていくはずだ。

 LogRhythm Labsの最高情報セキュリティ責任者(CISO)兼バイスプレジデントのJames Carder氏は、「ビジネスを活性化させるテクノロジの幅広い普及やイノベーションと、今日の先進的ハッカーが最新テクノロジを採用し、自らのものとしていく速度が組み合わさる結果、セキュリティチームの迅速な脅威の検出/対応能力を、攻撃者の攻撃ペースに対応できる速度にまで引き上げることは、不可能とは言わないまでも難しくなってきている」と述べている。

 同社は、進化しつつあるこのような環境に対応するうえで人工知能(AI)を活用することのメリットを主張している。とは言うものの調査結果では、サイバー脅威と戦うために現在何らかの形でAIを利用しているとした回答者は半数以下にとどまっている。

 Gartnerによると、AIを活用することで企業は、2021年には従業員の生産性を62億時間分引き上げ、2兆9000億ドルの事業価値をもたらすという。

 Gartnerのリサーチ担当バイスプレジデントMike Rollings氏は、「AIが単調な繰り返し作業を引き受けることで、人間は他の作業に従事できるようになる。とはいえ、人とAIの共生関係はより微妙な意味合いを持つものとなり、既存の慣習を単に自動化するのではなく、再投資と再発明が必要となるだろう」と述べている。

 またRollings氏は、「特定の判断を行う際の人間の思考プロセスを機械に模倣させるのでなく、機械と人間の双方の相対的な長所と短所を判断して意思決定プロセス全体を見直すことができる。これにより価値の創造を最大化するとともに、意思決定を再配分し、アジリティの向上につなげられるようになる」とも述べている。

Gaps in software slowing down security professionals

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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