Oracleは米国時間2月12日、「Oracle Autonomous Database」が提供する機械学習(ML)機能と自律機能の適用範囲を拡大し、より広範なPaaS製品に搭載していくと発表した。
最高技術責任者(CTO)のLarry Ellison氏は「Oracle OpenWorld 2017」で、Autonomous Databaseがいかに管理者の労力を削減するかについて説明していた。そして今回同社は、データ管理やアプリケーション開発、インテグレーション、アナリティクス、セキュリティ、システム管理でも自律機能を追加していくとした。
「Oracle Cloud Platform」の製品開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるAmit Zavery氏は、自律テクノロジによって人の手による作業が不要になると述べている。また同氏は「われわれは幅広い利用パターンに関する理解を有しているため、まず自律機能の水平展開を目指すことになる」と述べるとともに、「MLとアルゴリズムを舞台裏で活用することにより、コンフィギュレーションを各企業に応じたものにできる」と述べている。
詰まるところ「Oracle Autonomous Cloud Platform」は、同社のポートフォリオを横断した、自律的なパッチの適用やチューニングの実施、さらにはデータの統合までをも目指すことになる。Oracleは、同社の自律プラットフォームによってテクノロジ分野の人材をより価値の高い作業に振り向けられるようになるという投資対効果をアピールしている。
Oracleが自律能力を追加しようとしている機能には以下のものがある。
- データ統合機能:自律能力によって、データの取り込みやデータフローの定義、データプレパレーション、データレイクの作成が自動化される。Oracleのコアビジネスはデータの移動や格納に軸足を置いたものとなっているため、その実績を活用しつつ統合を進めていくことが可能となる。
- アプリケーション開発機能:MLを活用することで、恒常的なアクションとコード作成を自動化できるようになる。また、セキュリティ上の問題を特定する作業も自動化される。Zavery氏によると、アプリケーション開発の自動化は、コード作成にかかる時間を短縮するという点で大きなメリットをもたらすという。
- アナリティクス機能:データプレパレーションとデータディスカバリの自動化が活用できる。
- アプリケーション統合機能:自律能力の活用により、ビジネスプロセスの自動化が促進されるとともに、エンタープライズアプリケーションの接続が可能になる。
- システムやアイデンティティの管理機能:手作業で行われていた監視やパフォーマンス設定が自動化できるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。