KDDI、大林組、NECが、次世代移動通信システム「5G」と高精細4Kの3Dモニターを活用した建設機械による遠隔施工に、国内で初めて成功したと発表した。
2月1~14日に大林組の東京機械工場で実施された実証実験は、現行の建設機械に高精細4Kカメラを2台、2K全天球カメラを1台、2K俯瞰(ふかん)カメラを2台の計5台のカメラ映像を28GHz帯の超多素子アンテナによるビームフォーミングを活用して遠隔操作室に伝送した。
その結果、遠隔操作室では、裸眼でも自然に立体視が可能な4K対応の3Dモニターを導入することで、従来のモニターに比べ奥行をより正確に捉えることができた。これにより、遠隔地からでも繊細な操作が可能となるため、人が立ち寄ることができない災害現場においても復旧作業を安全かつ迅速に進めることができる。
実験の概要
遠隔操作は搭乗操作に比べて建機の動作が遅くなるため、作業効率が50%〜60%程度に低下すると言われている。これは、建機に設置したカメラからの映像と建機を俯瞰する映像のみを頼りに作業を行うことが主な原因とされる。
今回の実験では、5Gの特徴である高速・大容量通信を建機の遠隔操作に応用し、既存のモバイル通信では実現が困難だった高精細映像の伝送を実現することで、遠隔地にいるオペレーターへの情報提供量が増大され、作業効率を従来に比べ15%〜25%改善された。