OracleがSun Microsystemsを買収したときのことを覚えているだろうか。当時、この買収に関して理にかなっているように思えたのは、Oracleが「Java」を手に入れたことだ。それから約10年後、Oracleは「Java Enterprise Edition」(Java EE)に見切りを付け、今も高い人気を誇るこのJavaのエンタープライズミドルウェアプラットフォームのEclipse Foundationへの移管に着手した。今回、Eclipse Foundationの管理下で、Java EEが「Jakarta EE」に改名されることが決定した。
移管の理由は、OracleがJavaを収益化することができなかったためとみられる。Sun、そして買収後はOracleがJavaコミュニティーの舵取りに失敗したことが、主な原因と考えられる。
OracleのサーバサイドJavaのエバンジェリストであるDavid Delabassee氏は2017年8月に、「リファレンス実装と互換性テストキットを含むJava EEをオープンソース組織に移管することは、俊敏性に優れたプロセスを採用して、より柔軟なライセンシングを実装し、ガバナンスプロセスを変えるために、次のステップとして適切かもしれない」と認めている。
そのオープンソースモデルは、企業が管理するコミュニティーモデルよりも大きな成功を収めている。Javaエンタープライズサーバの動きを注視してきたあらゆる人にとって、それは驚きではない。
Javaサーバのパフォーマンス分析を手掛けるPlumbrによると、「JavaServer Pages」(JSP)の実行エンジンであるオープンソースの「Apache Tomcat」はこの5年間、最も人気のあるJSPサーバの座を優に維持している。2017年の調査において、「Oracle WebLogic Server」のシェアは4.5%で、順位も低かった。
Jakartaという名称に聞き覚えのある人もいるかもしれない。Java EEサーバでJakartaという名称が使われるのは、今回が初めてではないからだ。1999年~2011年にかけて、Apache Software FoundationはApacheのオープンソースJavaに関する全ての取り組みを網羅する「Apache Jakarta」プロジェクトを運営した。
それでは、なぜこのように名称が変更されるのだろうか。OracleはJava EEの知的財産権をEclipse Foundationに譲渡したにもかかわらず、商標登録されたJavaという名称をEclipseに譲渡することは拒んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。