ーーユーザーは機械学習による自動化を信頼している?
機械学習に限った話ではないが、我々は新しいもの、崩壊的な技術を恐れる傾向にある。
Domoが7年前にスタートした時、われわれが顧客企業にもたらそうとした透明性を恐れる向きもあったーー自分の業績が悪いことが他の人に知られたくないという恐れだが、メリットをもたらすこともわかった。透明性がある方が企業にとって良いという認識が広まり、恐れが受け入れに変化した。
同じようなことが予測でも起こるだろう。ユーザーは今現在恐れを感じているかもしれないが、機械学習から得られるメリットを実感できれば、予測を使うことへの抵抗が少なくなり、肯定的な体験になるだろう。
ーーDomo社内ではどのように予測機能を活用している?
顧客ヘルススコアカードとして、顧客の行動を見ている。Domoを使用する頻度、ユーザー数の増減、ビジュアルの作成回数、チャットの回数などのデータから、スコアを作成し、顧客の”健康状態”を予測できる。契約更新するか、シートの数は足りているか、それとも契約更新しないリスクが高いのかなどがわかる。予測機能なしにはわからない情報で、営業を大きく変えつつある。
このような予測を得て、意思決定できる、対応できるというのは、顧客の動きが激しい時代には重要だ。予測機能がスマートに、効率を上げてくれるというインパクトやメリットが社内で体感されており、次に何ができるのかという期待につながっている。
社員向けの情報サービス「Domo Nation」
ーーDomoの今後のフォーカスエリア、成長エリアは?
企業はどこもデジタルトランスフォーメーションを図っている。効率を改善し、データを効果をうむ形で使いたいと思っている。競争は激しくなっており、データ活用ができなければ競合に追い越されてしまう。生き残りのためにもデータの活用は不可欠だ。顧客は生き残りをかけて戦っており、少しでもデータを活用したいと思っている。これがDomoの成長を加速させている。
デジタルトランスフォーメーションへの関心は地域、産業により異なる。日本はデジタルトランスフォーメーションに対する関心が高い。成功事例がたくさんある。日本企業はデジタル化のチャンスを理解しており、享受したいと思っている。
業界では、小売、メディア、ハイテク、製造などで関心が高い。データを使って効率化を図り、競争に勝とうとしている。業種では、セールス、マーケティング、オペレーションなどで進んでおり、財務や人事でも始まっている。