SAPジャパン、SMB向けパートナー商材の承認制度を本格展開

藤本和彦 (編集部)

2018-04-11 07:00

 SAPジャパンは4月10日、パートナー企業が同社製品を用いて開発したソリューションを承認し、事前定義済みパッケージとして提供する中堅中小企業向け「パートナー・パッケージ・ソリューション承認制度」を本格展開すると発表した。特定の業種や業務向けに事前に設定、開発、動作保証したテンプレートをもとに短期間、低コストでの導入を可能にする。

 従来の「SAP Business All-in-One for SAP S/4HANA, on-premise edition パートナーソリューション承認制度」は、統合基幹業務システム(ERP)「SAP S/4HANA」のオンプレミス版が対象だった。今回からS/4HANAのクラウド版をはじめ、中堅中小企業向けクラウドERP「SAP Business ByDesign」、SaaS型人事管理システム「SAP SuccessFactors」、SaaS型データ分析基盤「SAP Analytics Cloud」、モノのインターネット(IoT)や機械学習の機能をまとめた製品群「SAP Leonardo」などに対象を拡大する。

 パートナー企業は、ERPのほかに人事管理や分析基盤などを組み合わせた、より柔軟なシステムをパッケージで提案できるようになる。承認を受けたパッケージには「SAP Qualified Partner-Package Solution」のロゴが付与される。現在は5社5製品が承認済みとなっている。

 同日に開催した記者会見では、同社の中堅中小企業向け事業の概況も明らかにされた。2017年はグローバルで9300社の新規顧客を獲得し、その内の85%が中堅中小企業だった。日本に関しては、中堅中小企業の新規顧客数は2016年と比べて2倍に増え、デジタルマーケティング経由の案件創出数は2.5倍に拡大した。

 新規顧客については、「国産パッケージを導入する企業が世界進出を機に乗り換えるケースが多い」(SAPジャパン 常務執行役員 ゼネラルビジネス統括本部 統括本部長 牛田勉氏)という。

 それを踏まえ、2018年の事業施策は、「クラウド製品ラインアップの拡充」「パートナー協業モデルの強化」「認知度の向上」を挙げる。特に、大企業向けだった調達・購買システム「Ariba」を中堅企業向けにも展開する。また、中堅中小企業向けウェブサイトをリニューアルするほか、ERPページの開設などのブランディング活動も積極的に展開する。

 さらに、人工知能(AI)を活用したマーケティング活動も行う。ドイツ、オーストリア、米国では既に実施している取り組みであり、デジタルマーケティング活動を通じて潜在ニーズのある中堅中小企業をAIで特定し、有望な営業先を提示する仕組みとなっている。

牛田勉氏
SAPジャパン 常務執行役員 ゼネラルビジネス統括本部 統括本部長 牛田勉氏

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