SAPジャパンが「人材のシェアリングエコノミー」を可能とする企業向けクラウドサービスを国内で提供開始すると発表した。この「人材のシェアリングエコノミー」に対して期待と懸念を述べたい。
SAPジャパンが人材シェアリングプラットフォームを発表

会見に臨むSAPジャパンの福田譲社長
SAPジャパンが提供を開始したのは、専門スキルを持つ人材のマッチングなどを支援する「SAP Fieldglass」。人材のシェアリングエコノミーを可能にするクラウドプラットフォームとして、企業に向けてオンデマンドで専門スキルやサービスを供給する仕組みだ。
同社の福田譲社長はSAP Fieldglassを国内で提供を開始する背景について、「日本でも働き方の多様化が進んできて、雇用側と働き手側それぞれのニーズが変化しつつある。雇用側では専門スキルを持った人材と必要な時に出会いたい。一方、働き手側は自分のスキルを強みとし、その専門性を評価してくれる会社と出会いたい。こうした双方のニーズをマッチングさせるプラットフォームとして、満を持してローンチしたい」と説明した。
SAP Fieldglassの内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは発表会見で説明があった、企業においてのSAP Fieldglassの導入前と導入後を示した図を紹介しておこう。この図では、導入前だと、専門人材を募集する際、部署ごとに人材サービス会社を介して照会していたため、全社的な人材の“見える化”ができていなかった。これに対して導入後は、各部署の専門人材の情報を横ぐしで可視化することができるようになる、ということを表している。

図:SAP Fieldglassの導入前と導入後
SAP Fieldglassが目指す世界としては、「日本企業の雇用システムにデジタル変革を起こし、働き手が専門職として対価を得て、自己実現ができる場(企業)とつなぐ。これにより、多様な働き方を促進し、日本企業の成長に貢献したい」と力を込めた。