ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室

第1回:SNSに何を投稿したらいいのか分かりません…… - (page 2)

後藤真理恵 (SNSエキスパート協会 代表理事)

2018-04-23 07:00

ファンが求めているのは面白ネタだけじゃない

 SNSだからといって、話題のネタや面白い話ばかり投稿していてもファンは喜びません。「新商品情報」「商品・サービスの特徴、優位性」「キャンペーン情報」など、自社サイトなどでも当然掲載するような内容は、SNSでもタイムリーに案内するようにしましょう。

 意外かもしれませんが、企業がファンに伝えたい情報(マーケティング系コンテンツ)は、ファンにも喜ばれる内容です。「ファン」=「皆さんの企業・団体が発信する情報がほしい、と意思表示してくれた人たち」という事実を忘れないようにしましょう。

社内をとことん使い尽くそう

 社内報、社史など、ふだん社外に出ることのない資産の中に、SNS投稿のネタになりそうなものは含まれていませんか?

 また、長年眠っている写真や動画などの素材はありませんか?例えば、昔の商品カタログやポスター、パッケージ、新聞/雑誌広告、当時の工場や社内の様子が分かる写真など、会社の「歴史」そのものが貴重なネタになります。当時を知らないファンには「驚き」を、当時を知っているファンには「懐かしさ」を与えることができるでしょう。

 もちろん、「社員」もネタの宝庫です。支社/営業所の社員に「ご当地ネタ」を提供してもらったり、休暇や出張で風光明媚(めいび)な場所に出掛ける社員には商品やキャラクター人形を渡して、美しい風景をバックにした写真を撮ってきてもらったりしてみましょう。

 こうした「SNS関連の依頼」を通じて、普段は接点がない社員にもSNSに関心を持ってもらえたり、フィードバックや投稿アイデアを提供してもらえたりする二次効果も期待できますね。

「社内の常識 = (良い意味で)世間の非常識」を探す

 社名/商品名/ロゴマークの由来など、社員にとっては「当たり前」の情報に「ネタ」が隠れていたりします。「会社創立日が●年●月●日である理由」や「人気商品開発のきっかけ」などの情報はありませんか?

 社員なら皆知っている「商品の意外な使い方/食べ方/飲み方」はありませんか?意外と世間に知られていない情報は、ファンに驚きや共感を与える可能性が高いものです。

世間の興味・関心をネタに使う

 自社や自社商品・サービスについてファンやフォロワーが持っている「関心事」「疑問」「要望」などを調べ、それをネタにしてみましょう。エゴサーチ(ソーシャルリスニング)で自社や商品について調査するのもよいですし、「Peing」など匿名質問箱アプリを設置してみるのもよいですね。

面白い情報・トレンド情報を日々インプットしておこう

 良質なアウトプットには、良質で大量のインプットが必要とも言われます。面白いネタ、トレンドネタを思い付くためにも、(SNSに限らず)毎日さまざまな情報に触れる習慣を付けましょう。インターネット上のニュースサイトやまとめサイトをチェックするのはもちろんのこと、テレビ番組(情報番組、クイズ番組など)を見たり、いろんな雑誌や書籍に目を通したりすることもトレンド把握にはお勧めです。

 実際、SNS運用担当者の中には、話題のテレビドラマを全て録画しておき、毎週末に「倍速」で見ているという人や、新聞数紙と何冊もの雑誌チェックを毎日欠かさない人たちもいます。

 さらに、「話題のもの(スポット、イベント、料理、グッズ、イベント、スポーツなど)を試してみる」好奇心の強さとフットワークの軽さがあると、得られる情報はさらに広く深くなります。ぜひ、情報のインプットを楽しみながら続けてみてください!

今月の回答:

SNSでは「ファン・フォロワーを楽しませる投稿」を続けることが大事。「ファンを楽しませる投稿」=「ネタ」×「自社情報」であることも忘れずに。SNS投稿のネタは、社内・社外・日々のインプットから見つけてみましょう。

後藤真理恵(ごとう・まりえ)
東京大学 文学部卒。中学高校教諭第一免許状(国語)取得。日本オラクルにて、技術者向け研修の開発~実施、講師育成、技術者向け資格試験の問題開発などを担当。その後はマーケティング、パートナービジネス部門などを歴任。2013年にコムニコに入社し、数多くの企業のSNSマーケティングを支援するチームをマネージャーとして率いる。2016年11月、SNSエキスパート協会代表理事に就任し、SNSマーケティングの正しい知識を持つ人材育成にも努めている。

・ZDNetでの連載バックナンバー:ざっくりわかるSNSマーケティング入門

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