米国時間4月19日に「Windows Insider Program」の「Skip Ahead」リングテスター向けに公開された「Windows 10 Redstone 5」の最新テストビルド(「Build 17650」)には、Microsoftが今後の大型アップデートでモバイル機器向けの動きを計画しているとも捉えられる新たな機能が2つ存在するとみられる。
その1つが「Windows 10 Lean」と呼ばれる、「Windows 10」の新たな軽量化バージョンだ。
Windows 10 Leanの存在が最初に明らかになったのは、「Windows」の愛好家であるLucan氏のツイートからだ。同氏によると、この大幅に軽量化されたOSには壁紙が用意されていないほか、「Registry Editor」や「Microsoft Management Console」といったアプリ、CDドライブやDVDドライブ向けのドライバも搭載されていないようだ。こういった軽量化により、Windows 10 Leanのx64版インストールは「Windows 10 Pro」よりも約2Gバイト小さくなっているという。
MicrosoftはWindows 10 Leanを「Windows 10 CloudE」としても参照しているが、ちょっとした違いがいくつか存在している。まず、「Microsoft Edge」ではダウンロード用のプロンプトが表示されないため、ファイルのダウンロードはできない。また、理由は不明だが「Microsoft Office」のインストールもできない。
Windows 10 LeanやWindows 10 CloudEに関するMicrosoftの計画と、それが「Windows 10 S」(ある時点では「Windows 10 Cloud」と呼ばれていた)とどのように関係するのかは明らかにされていない。
Windows 10 Sは当初、Windows 10の新規エディションとして発表されていたが、現在では「Sモード」として知られており、現行のWindows 10 Proだけでなく、2019年にはすべてのWindows 10エディションで利用可能なオプションとなるという。
Mary Jo Foley記者は、Twitter上でのLucan氏とのやり取りで、Windows 10 Leanは「Enterprise」エディションや「Home」エディションにおけるSモードではないかと推測した。
その一方でLucan氏は、Windows 10 LeanがWindows 10 Sと同じ制約を有していない点を指摘している。
今回のテストビルドで興味深いもう1つの点は、電話やビデオ通話の発信のほか、非公開番号からの受信のブロックといった、標準的な電話の機能をサポートする通話発信API搭載の可能性だ。
Ars Technicaの指摘によると、Windowsでは現時点で、データ接続を可能にするモバイルモデムに対するサポートが限定されており、実際の通話には「Windows Phone」や「Windows 10 Mobile」が必要になっているという。
この新たな通話発信APIは、かなり前からうわさされている折りたたみ可能なWindows 10を搭載するとみられるモバイル機器「Andromeda」によって、同社が携帯電話市場に再参入するのではないかという裏付けともなっている。
提供:Lucan/Twitter/Microsoft
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。