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米ZDNet編集長Larryの独り言

CRM分野でセールスフォースに挑む?--SAPの野心と現実

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2018-05-14 06:30

 SAPの最高経営責任者(CEO)Bill McDermott氏は、Salesforceに直接狙いを定めた次世代の顧客関係管理(CRM)プラットフォームの実現に向けて歩を進めているようだ。ただ、この取り組みに関する詳細はほとんど明かされていない。こうした状況は少なくとも、6月に開催される同社の年次カンファレンス「SAPPHIRE NOW」までは続くだろう。しかし、McDermott氏がしばしば口にする「CRM分野を手に入れたい」という言葉から、興味深い疑問が頭をもたげてくる。その疑問とは、Salesforceの地位はSAPによってどの程度脅かされるようになるのだろうかというものだ。

 McDermott氏は2018会計年度第1四半期決算の電話会議でCRMについて熱く語った。アナリストらはそれに対して、CRMに関する数多くの疑問を投げかけた。おおまかに言うと、McDermott氏は以下の点を示唆した。

  • CRMは、バックエンドの処理とフロントエンドを連携させるような形で再発明される必要がある。
  • クラウドによって、SAPをはじめとする企業は業務部門やフロントオフィスにより力を注げるようになる。
  • SAPはGigyaCallidus Softwareの買収によって、CRM市場におけるより大きな機会を手にできるようになる。
  • 顧客はSalesforceの価格とウォレットシェアについて気にするようになってきている。

 これが同氏の話した内容を手短にまとめたものだ。以下は、McDermott氏のより長い説明を引用したものである。分析しやすくするために、いくつかの内容に分割して見ていくことにしよう。

 IT業界は今日に至るまで、フロントオフィスを再発明するだけの能力を世の中にもたらせていない。今日の多くの企業にとって、クラウドCRMと呼ばれているものは実際のところ、第1世代のSaaSアーキテクチャ上で高価なソフトウェアを稼働させるという意味しか有していない。CRMの新たなビジョンに関するSAPの最近の発表に対して多くの企業が期待しているのは、おそらくこういった理由があるためだ。変革の時が近づいてきている、つまりわれわれがやってくることを企業は理解している。他社とは異なり、SAPのアプローチは実際のところ末端の消費者とともに開始される。

 データやソーシャルメディアに関する一連の報道を見てほしい。世の中の消費者は神経質になっている。欧州連合(EU)による一般データ保護規則(GDPR)の施行が近づくなか、企業は消費者に対してデータに関する選択肢をどのように提供していけるのだろうか?また、許可が与えられた場合、企業はどのようにしてそのデータを守っていくのだろうか?そして、どのようにして消費者を巻き込んでいくのだろうか(消費者がどのような形で巻き込まれたいかを選ぶにせよ)?どのようにして消費者が要求するものを調達するのだろうか?どのようにして消費者の満足感とロイヤリティを同時に維持していくのだろうか?SAPによるGigyaやCallidusCloudの買収が完了した今、われわれはSAPPHIREにおいて、フロントオフィスを変革する真の包括的ソリューションのポートフォリオを発表する。われわれの目標は、レガシーCRMをレガシーデータベースの道に進ませる手助けをするというシンプルなものだ。われわれ以外にこのようなことを成し遂げられる力を持っている企業は存在しない。UnileverやJaguar Land Rover、Coca-Colaといった企業が第1四半期にSAPのフロントオフィスソリューションを選択したのは、そういった理由があるためだ。かつて、市場のリーダーがCRMで圧倒的な強さを見せていた時代があった。その時には誰にも倒せないだろうと言われていた。しかしここで、もう1度はっきりと述べておきたい。われわれはCRM分野を手に入れたい。そう、CRM分野を手に入れたいのだ。

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