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IBMと慶大、量子コンピュータの研究拠点「IBM Qネットワークハブ」を国内に開設

渡邉利和

2018-05-21 10:22

 慶應義塾大学と米IBMは5月17日、慶應義塾大学量子コンピューティングセンター内に「IBM Qネットワークハブ」を開設したと発表した。併せて、発足メンバー企業としてJSR、三菱UFJ銀行、みずほフィナンシャルグループ、三菱ケミカルの4社が参画することも発表した。

 IBM Q Networkは、IBMが開発した汎用量子コンピュータ「IBM Q System」に関心を持つ学術研究機関や企業などからなるコラボレーションのコミュニティーで、IBMと直接連携して量子コンピューティングを進化させることを目的とする。2017年12月に設立が発表され、慶應義塾大学は初期12メンバーに含まれていた。また、IBM Qネットワークハブに関しては「4大陸にわたる5つの地域拠点」として合わせて設立が発表されていたものになる。

「Keio Q Hub」の位置付け
「Keio Q Hub」の位置付け

 拠点は慶應義塾大学の他、IBM Research、オークリッジ国立研究所(米国)、オックスフォード大学(英国)、メルボルン大学(豪州)にある。量子コンピュータの実機であるIBM Q Systemは、米国ニューヨーク州のIBM Thomas J. Watson Research Centerに設置/運用されており、クラウドを通じてアクセスする。このため、慶應義塾大学のIBM Qネットワークハブに量子コンピュータが設置されるわけではない。ただし、現在クラウドで一般に公開されているIBM Q Systemが5量子ビットなのに対し、IBM Qネットワークハブからは最新世代の20量子ビットのシステムにアクセスできることに加え、現在開発中の50量子ビットの次世代機も利用可能となる予定。

量子コンピュータの展望
量子コンピュータの展望

 概要を説明した慶應義塾大学理工学部長の伊藤公平教授は、「慶應義塾大学の教員、学生に加え、学外から他大学、研究機関、企業の皆さまが集まり、量子コンピュータを用いたソフトウェアのアルゴリズム開発に共同で取り組む場が作れる」と語った。

 なお、量子コンピュータに関しては特定の問題解決に特化した実装も存在するが、IBM Qシステムは「ゲート式量子コンピュータで、全ての量子アルゴリズムが実行できる文字通り“万能の量子コンピュータ”だ」という。ただしこれは、既存のスーパーコンピュータなどと比較して必ずしも演算性能で優位にあるということでもなく、「得意な領域を見つけて棲み分けていく」ことが想定されているようだ。

 既存のコンピュータが苦手とする処理のうち、量子コンピュータに向いた問題を見つけ、解決のためのアルゴリズムを開発することが当面のIBM Qネットワークハブの目標となる。伊藤教授は当面の目標として「3年くらいで問題を見つけていく」としている。

記者会見したIBM Research IBM Q Strategy and Ecosystem バイスプレジデントのBob Sutor氏、慶應義塾 常任理事の青山藤詞郎氏、同理工学部長の伊藤公平氏、同量子コンピューティングセンター長の山本直樹氏(右から)
記者会見したIBM Research IBM Q Strategy and Ecosystem バイスプレジデントのBob Sutor氏、慶應義塾 常任理事の青山藤詞郎氏、同理工学部長の伊藤公平氏、同量子コンピューティングセンター長の山本直樹氏(右から)

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