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山谷剛史の「中国ビジネス四方山話」

芝麻信用の信用スコアで進むレンタルビジネス

山谷剛史

2018-05-22 11:50

 芝麻信用の信用スコアは、日本でもQRコード決済で知られる電子決済プラットフォームの「支付宝(アリペイ)」の利用状況や、個人情報の登録具合で、利用者がどれほど信用できるかを数値化したものだ。詳しく知りたい人は「中国の社会信用スコア「芝麻信用」で高得点を狙うネットユーザー」を読んでもらうとして、信用スコアによるメリットが変わりつつあることを紹介したい。

 当初高い信用スコアを獲得してでできることは、「海外のビザが取得しやすくなるといったこと」や、「北京空港での専用出国レーンが通れる」といったことだったが、やがてofoや最近シェアを伸ばしているhellobikeなどのシェアサイクルや、モバイルバッテリの自動貸し出し機で借りるシェアバッテリなどの利用時に、信用スコアを担保にデポジットが不要になるという特典が1つの主流となった。

 信用スコアがうんと高くなれば、本来デポジット料金の高い製品での利用もタダになり、例えばEV(電気自動車)を利用したシェアカーすらもデポジットなしで利用することが可能となる。あらかじめ支払う金を減らして利用へのハードルを低くする一方、利用して悪事を働けば信用スコアが減るので下手なことができないことから、トラブル発生率が減少するという効果を生み出している。

 アプリの芝麻信用のページからは、さまざまな店舗が参加し、スマートフォン、PC、ドローン、デジカメ、プロジェクター、浄水器、空気清浄機、ゲーム機、白物家電、テレビ、おもちゃ、ブランドバッグ、ブランド服などさまざまな商品がレンタルできるようになっている。例えばiPhoneXなら月475元(約8000円)、MacBook Proなら1日7.2元(約120円)、DJIのドローン「Spark」なら1日14.15元(約240円)で借りることが可能だ。

 小米やOPPOやvivoやファーウェイなど、中国で定番のメーカー製品はだいたい対応している上、中古商品のレンタルなら新品よりもさらに安く借りられる。バッテリがすぐ切れるというトラブルも聞くが、人気の機種をちょっとだけ使い倒したいという人にはこうしたサービスを使ってみるのもいいだろう。

 中国でのスマートフォンの売れ行きは落ちてきている。人気の機種の平均単価が1000元台から2000元台(1元=17円)へと急に単価が高くなったので、スペック的にも満足だし、買い替えしにくくなったというのもあるだろう。最近のトレンドとして中国で5Gがスタートするまでに、ベゼルレスやNFC搭載といった新機能を買い替えの材料としてプッシュしているように見えるが、スマートフォンのレンタルもまた新しいスマホの利用促進のひとつとなっているように見える。

 中国メディアの東南早報によると、同誌記者がスマートフォンレンタルサービスをデポジットを払う形で利用したところ、レンタルの相談をしたときのカスタマーサポートは非常に良かったが、返却の相談をするとサポートの反応が悪く、デポジットをなかなか返してもらえなかったという。そうしたトラブルを回避する意味でも信用スコアによるレンタルは役立ちそうだ。

 ところで企業向けにおいても、芝麻信用の信用スコアを担保に高価な製品をデポジットフリーで提供する。農業用ドローンメーカーの極飛は、同社製品を信用スコア750点以上でデポジットを無料に、700~750点で2万元、600~700点で3万元とするとし、予算が少なくても信用スコアを代償にレンタルのハードルを低くした。

 また医療用機器メーカーが、病院や薬局向けに信用スコアでデポジットの負担を減らし、レンタルで提供している。産業のハイテク化を進める中で、高価な機器を作れど企業が買えないという問題を信用スコアとレンタルという形で解決し、システム上は清廉潔白と認定される企業が業界で勝てる状況となりそうだ。

山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター
2002年より中国雲南省昆明市を拠点に活動。中国、インド、アセアンのITや消費トレンドをIT系メディア・経済系メディア・トレンド誌などに執筆。メディア出演、講演も行う。著書に「日本人が知らない中国ネットトレンド2014 」「新しい中国人 ネットで団結する若者たち 」など。

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