Microsoftは米国時間5月22日、人工知能(AI)サービスの構築でAccentureおよびAvanadeと協力していくと発表した。業界別のアプローチで顧客へのAIソリューション提供を実現するという。
今回のパートナーシップは、MicrosoftがHP Inc.やMacy'sといった顧客向けに開発している、カスタム型バーチャル支援エージェントを拡大するものだ。Microsoftが「Dynamics 365 AIソリューション」と呼ぶこのエージェントへの取り組みは、同社の顧客関係管理(CRM)/統合基幹業務(ERP)製品である「Dynamics 365」とは何のつながりもない。
Microsoftは、「Microsoft Knowledge Graph」や「Bing」データ、マシンリーディング技術を使用し、法人顧客向けにカスタム型エージェントを開発している。
Microsoftのコマーシャルパートナーチャネルおよびプログラム担当コーポレートバイスプレジデントであるGavriella Schuster氏はLinkedInへの投稿で、MicrosoftはAccentureのApplied Intelligenceグループと連携し、コンシューマー向けパッケージ製品市場や通信、小売りといった業界をまたがり、顧客エンゲージメントの向上と売上高の増大をもたらすインテリジェントな業界別のソリューションを開発していくと述べている。
Schuster氏は、Accentureの「Intelligent Customer Engagement」(ICE)フレームワークとMicrosoftのカスタマーケア向けAIソリューションを組み合わせることで、「さまざまな顧客のニーズをより良く理解し、それに応えられるような」デジタルアシスタントが実現できるとしている。またMicrosoftとAccentureは、Accentureの「Intelligent Revenue Growth」(IRG)製品をMicrosoftのAIプラットフォームにもたらすことで、パッケージ製品市場に秘められている市場機会を開拓していく。同氏は、「IRGは販売部門による機会の洗い出しと、その後の展開を最大で10倍加速できるようにするために、機械学習(ML)技術を活用している」としている。
なお、Microsoftの「AIプラットフォーム」を構成する製品には、「Visual Studio Code Tools for AI」や「AI Toolkit for Azure IoT Edge」「Machine Learning Studio」といったAIツールだけでなく、「Azure Cognitive Toolkit」や「Open Neural Network Exchange」(ONNX)フォーマットといったAIフレームワークのほか、「Azure Cosmos DB」から「Azure SQL Database」や「Azure Kubernetes Service」「Data Lake Store」「IoT Edge」サービスに至るまでのMicrosoftにおけるすべての「AI関連のインフラ」が含まれている。
MicrosoftとAvanade、Accentureの3社は連携し、データ科学者やエンジニア、アーキテクトで構成された技術者チームを用意し、MicrosoftのAI技術へのアーリーアクセスを提供しようとしている。Accentureの「Applied Intelligence」には現在1万9500人が携わっている。また、8000人以上がMicrosoftのAIおよびAI関連のリサーチに注力しているという。AccentureとMicrosoftによって2000年に設立されたジョイントベンチャーであるAvanadeも、AIに重点を置いた取り組みを推進している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。