インフラとアナリティクスのチームを編成するか、クラウドにアウトソーシングするか?
欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)の施行が始まり、多くの企業が適切なデータガバナンスの実現に苦労しているものの、この分野はアナリティクスの基盤としてその利点を享受すべきところだと言える。
Nathan氏も以下のように述べている。
競合はデータに関するものとなり、活用できる最高のデータを有することが決め手となる。あるサイロから別のサイロに向けたデータ移行に苦労している企業は、少なくとも2~3年は後れを取っている。5年後には既に、持てる者と持たざる者で差が付くようになっているため、現段階でリソースを割り当てておく方がよいだろう。
これは戦略的な意思決定であり、戦略的優位につながるとともに、企業に真の変革をもたらすことになる。しかし直接的に、あるいは間接的にこうした戦略を採れない、あるいは採る気がない企業についてはどうだろうか?
創業時からデジタルな企業ばかりではない。また、1日にしてデータチームを編成できるという企業ばかりでもない。さらに、データチームを編成したいと考えたとしても、既にデータエンジニアやデータサイエンティストが不足している時代に突入している。そのうえ、インフラの構築には多大な投資が必要になるのは言うまでもない。クラウドが解決策となり得る理由がここにある。
クラウドはアナリティクスに向けたソリューションとなり得る。
インフラに目を向けると、クラウドの長所と短所については既に深く理解されている。クラウドによって初期投資はゼロ、あるいは極めて低く抑えられるうえ、クラウド上のアプリケーションを使う場合、データをやり取りする際のデータ移送についてはそれほど問題にならない。その一方、ベンダーのロックインについては常に留意しておくべき問題となる。
しかしクラウドの利点は、ストレージインフラや、クラウド上で運用されているアナリティクスツールだけではない。
クラウドはアナリティクス市場における専門家の不足を、すぐに使えるライブラリやデータパイプラインの提供などによって補うことができる。こうしたクラウドはプラグアンドプレイをうたっている。ただし、中核となる専門知識をアウトソーシングするという短所や、コモディティ化された価値しか受け取れない(差別化に結びつかず、業界のトップグループから大きく後れを取る可能性もある)という短所もある。
とは言うものの、これだけではない。クラウド分野では「Insights Platforms as a Service」(IPaaS)と呼ばれる新種の統合アナリティクスプラットフォームが台頭し始めている。これらのプラットフォームはクラウドをまたがり、ユーザーに代わって一筋縄ではいかない作業や、統合、洞察の生成をすべて引き受けるとともに、ターンキー型のアナリティクスソリューションの提供を約束している。