Verizonは、ARテクノロジを活用し、同社の光ファイバーサービス「FiOS」に従事する現場の技術者を訓練するとともに、最新の知識移転システムになるべきものを構築しようとしている。
同社のこのアプローチに目を向けることで、企業における訓練といった、現実世界でのARのユースケースに対する洞察が得られるはずだ。
ARや仮想現実(VR)は絶え間なく変化しているテクノロジだが、VerizonのAR活用事例から得られる大きな教訓は、テクノロジよりもコンテンツが大事だというものだ。確かに同社は訓練にOculus製品を用いているが、その取り組みの中核に据えられているのは360度全周囲動画と、現場の技術者にコンテンツをもたらすためのARの使用だ。
Verizonでニューヨーク市の現場作業担当リージョンプレジデントを務めるJoseph Beasley氏は、4600人の技術者を対象とする、ARを用いた訓練の展開を主導している。Verizonはこの取り組みを全社に拡大する計画であり、Beasley氏によると、その目標は以下のようなものだという。
- 訓練の加速
- コストの削減
- 複数のスキルを習得でき、専門以外のことも手がけられる小回りのきく技術者集団の育成
- 技術者を中核に据えた訓練コンテンツの迅速な制作
- コミュニティーの構築にも同プラットフォームを活用する文化の醸成
ニューヨーク市は、VerizonのFiOS部門にとって興味深いテスト環境となっている。技術者は、同市の各行政区では電柱に上る必要がある場合もある。また、マンハッタン地区ではマンホールから地下に降りていき、新たな信号線を敷設し、光ファイバーと銅線の切り替えを行うことになるかもしれない。同氏は「ここでの目標は、データとコンテンツを蓄積し、利用可能にすることだ」と述べた。