自動化と体験でITサービスはどう変わるのか--ServiceNowに聞く最新事情

末岡洋子 2018年08月30日 06時00分

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 米ServiceNowのITサービス管理(ITSM)は、約5000社が利用する同社の主力製品だ。チケット管理などの基本的な機能からスタートし、ここ最近ではAI(人工知能)とエクスペリエンス(体験)にフォーカスしている。同社でITSM/ITBM/ITAM製品担当ジェネラルマネージャーを務めるFarrell Hough氏に、この分野の強化について話を聞いた。

--ITSM分野での最新の機能強化は?

 ITスタッフの作業とユーザー体験にフォーカスした機能強化を図っている。第3四半期に予定している「London」リリースでは、ITサービスのデスクエージェント「Agent Workspace」を導入する。新しいユーザーインターフェース(UI)で、IT担当者は作業中にコンタクトややり取りを切り替えることができる。関連する記事やサービスカタログを探すエージェントアシスト機能もあり、IT担当者は業務を効率化できる。

 エンドユーザーによるサービスリクエストでも、新しいサービスがある。その1つが「Virtual Agent」で、会話ベースでサービスリクエストの処理を支援する。10種類の会話を用意しており、すぐに始めて価値を得られる。24時間対応なので、大量のリクエストにも対応できる。

 プランニングでは、プロジェクトプランナー、ITのイニシアティブを測定できるポートフォリオプランナーなどを強化する。「Portfolio workbench」では、ITに関連するデマンドとプロジェクトを一元的に視覚化できるようにした。これにより、成果をきちんと追跡できる。シナリオのプランニングも可能となり、自分の予算や時間内でどれだけのプロジェクトを終わらせることができるのか、などを把握しながら作業できるようになった。

 運用管理側では、オペレーションや管理の担当向けにインテリジェンスを提供する。モニタリングしているネットワークやインフラから主要なイベント情報を集め、UIに表示することで、担当者は重要なことに注意を向けることができる。さらに、これをインシデント管理の「Major Incident Management」に接続し、サービス管理チームとインシデント対応側が共同で適切なチャネルで作業ができる。

--「Now Platform」を差別化にしている。どのようなものか?

 ServiceNowのITSMの強みは、プラットフォーム、それにサービス管理での作業全体を網羅する幅広い機能にある。プラットフォームの「Now Platform」は土台であり、顧客はこの上に自分たちのアプリケーションを構築できる。そのために必要なツールや機能を備えており、われわれが構築したアプリケーションのコンシュームも可能だ。土台が同じなので、ワークフロー、データ構造、UIエレメントなどが連携でき、相互運用性がある。Now Platformは、拡張性がある方法でビジネスを動かすことができるクラウドプラットフォームといえる。

 われわれは企業買収すると、その技術を(スイートとして接続するのではなく)Now Platformの上に取り出して再構築する。中核のソースコードが同じなので、アップグレードもシームレスに完了する。これが競争優位性につながっている。

--インテリジェンス(AI)とエクスペリエンス関連では、どのように強化していくのか?

 プラットフォームレベルでは、インテリジェンス機能の提供、デザインのコンポーネント、モバイルプラットフォームなどを拡充する。

 強化にあたっては、ユーザーが困っているところはどこかを調べ、インテリジェンスや優れた体験が、その緩和や解決につながるかを見る。これにより、ServiceNowの成長も支援できる。インテリジェンスでは、実用的な応用が大切になる。Virtual Agentは良い例だ。インシデントに応用して、どのカテゴリかを自動的に分類するものだ。しかし、だからと言ってVirtual Agentで、全てのインシデントを解決できる、サービスデスクは不要、というものではない。Virtual Agentをはじめインテリジェンスは、それが適した分野を解決できるための技術に過ぎない。

 エクスペリエンスにおいては、これまでITはビジネスの成果、生産性、コスト管理などが中心で作業をしてきた。ここは継続しながら、今後はユーザーに素晴らしいエクスペリエンスを提供することも大切になる。

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