松岡功の一言もの申す

コンサルティング会社がAI技術の開発に注力する理由

松岡功

2018-12-13 10:23

 KPMGコンサルティングが人工知能(AI)ソリューションを開発し、提供開始すると発表した。AI技術の開発については、他のコンサルティング会社も注力している。そこで素朴な疑問が湧いた。なぜ、コンサルティング会社がAI技術の開発に注力するのか。

KPMGコンサルがAIソリューションを発表

写真1:KPMGコンサルティングの宮原正弘 代表取締役社長兼CEO
写真1:KPMGコンサルティングの宮原正弘 代表取締役社長兼CEO

 「AIのような先端技術を、地に足の着いたソリューションとして開発し、お客さまの経営課題の解決に貢献していきたい」――。KPMGコンサルティングの宮原正弘社長は、同社が先頃開いたAIソリューションの記者説明会でこう語った。(写真1)

 同社が独自に開発したAIソリューションは「KNIGHT(Knowledgeable Integrated Graphic Transformation)」。ERPに取り込まれていない企業の中に埋もれている情報や、勘や経験などの熟練者の知見である「暗黙知」を自然言語処理の活用によって「形式知」にすることで、誰もが知見を再利用できるようにしたという。

 KNIGHTの内容については関連記事をご覧いただくとして、同社の会見ではKNIGHTを開発した「Advanced Innovative Technology(AIT)」チームの活動について説明があったので記しておこう。

写真2:KPMGコンサルティングAITチームの山本直人ディレクター
写真2:KPMGコンサルティングAITチームの山本直人ディレクター

 同社AITチームの山本直人ディレクターは、まずチームコンセプトとして次の3つを挙げた。(写真2)

 1つ目は「人の作業を単純に代替するのではなく、人の能力を拡張していける先端技術の活用を追求する」、2つ目は「世の中にないソリューションによってビジネスモデルを改革し、経営者の意思決定の高度化を支援する」、3つ目は「実際に動くもの(ソリューション)で勝負する」――といった内容だ。

 図1が、AITチームが手掛ける先端技術活用フレームワークである。AIのコアである「分析基礎技術」を中核にして「高度IT技術」を駆使し、顧客企業の「経営課題解決・競争力強化」を支援していくことを意味している。

図1:AITチームが手掛ける先端技術活用フレームワーク(出典:KPMGコンサルティングの資料)
図1:AITチームが手掛ける先端技術活用フレームワーク(出典:KPMGコンサルティングの資料)

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