Salesforceの「State of Marketing」(マーケティングの現状)レポート第5版によると、人工知能(AI)を利用して顧客とのつながりを深めるマーケターが増えているという。ただし、パーソナライゼーションツールにおけるプライバシーとの兼ね合いを調整する機能に満足しているマーケターは多くないという。
世界のマーケティング責任者4100人以上を対象とした調査に基づく同レポートによると、2018年にAIを利用したとするマーケターの割合は29%だった。なお、2017年にはこの割合は20%にすぎなかった。また、自らの全体的なマーケティングパフォーマンスやマーケティング投資の結果に完全に満足しているとした、「高い業績を上げている」マーケターに限った場合、2018年におけるAI利用率はより高く、40%だった。
ただし、パーソナライゼーションとプライバシーの兼ね合いを調整する機能に完全に満足しているとしたマーケターの割合は30%にとどまった。
同レポートでは、企業が顧客の信頼を失うことなく、有益かつ個人的な情報を得るためにAIツールの活用方法を学ぶ必要があるという、重要な岐路に至った状況が浮き彫りにされている。また、2年前よりもパーソナライゼーションとプライバシーの兼ね合いを意識しているマーケティングチームの割合は51%にのぼるという。
さらに同レポートによると、マーケターの現在の典型的なAI活用方法には、リアルタイムでの次の最適な提案と、予測マーケティングへの応用などがあるという。そして2020年までに、マーケターはさらに複数の手段でもAIを用いるようになると考えられている。
こういったAIの魅力は驚くべきものではない。リアルタイムでの顧客エンゲージメントはマーケターにとって最も難しい課題であるとともに、最優先課題でもあるためだ。
AIツールはさまざまなベンダーから提供されており、顧客データも同様だ。同レポートによると、マーケターは多様な種類、情報源のデータを利用して、顧客についてより鮮明に把握し、独自のニーズや好み、行動などを予想しようとしており、マーケティング戦略に利用しているデータソースの中央値は、2017年の10から2018年には12に増加したという。この数値は2019年には15に達すると予測されている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。