Googleは米国時間1月16日、「Google Cloud Platform」(GCP)上で「NVIDIA Tesla T4」GPU搭載インスタンスのベータ版提供を開始したと発表した。Googleは2018年11月に、他のクラウドプロバイダーに先駆けて、Tesla T4 GPU搭載インスタンスをプライベートアルファ版として利用可能にしていた。
現在、T4搭載インスタンスはブラジルとインド、オランダ、シンガポール、日本(東京)、米国(オレゴンとアイオワ、サウスカロライナ)で利用可能となっている。Googleは、これら世界8つのリージョンで同インスタンスを利用可能にしたことで、レイテンシが低減されるとしている。なお、Googleは同インスタンスの他にも「NVIDIA Tesla K80」や「NVIDIA Tesla P4」「NVIDIA Tesla P100」「NVIDIA Tesla V100」といったGPUを搭載したインスタンスを提供している。
GoogleによるとTesla T4は、推論処理を実行する場合、同社のポートフォリオのうちで最も高い性能を発揮するものの、機械学習(ML)の訓練処理にも適しているという。またTesla T4は、専用のレイトレーシングプロセッサを搭載した初のデータセンター向けGPUでもある。
同社によると、T4搭載インスタンスの16Gバイトものメモリ容量により、大規模なMLモデルや、複数の小規模モデルに対する推論処理の同時実行をサポートできるという。MLの訓練処理ではV100搭載インスタンスが真っ先に候補として挙げられていたが、T4搭載インスタンスはより安価な価格体系となっている。
Tesla T4は、コンピュータグラフィックスのレンダリング処理において、レイトレーシングと、人工知能(AI)による推論を組み合わせたハイブリッド手法を可能にする「NVIDIA Turing」アーキテクチャをベースにしている。レイトレーシングは、現実と同じ照明効果を実現するレンダリング技術だ。GCPでは、T4搭載インスタンスの仮想ワークステーションもサポートされているため、デザイナーはどこからでもレンダリングアプリケーションを実行できるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。