「ひとり情シス」の本当のところ

第13回:つらいときこそ心にしみる--ひとり情シス・ニーチェ日めくりカレンダー

清水博 (デル) 2019年02月21日 06時45分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

つらいときのニーチェの言葉

 『ニーチェ入門』(竹田青嗣著、筑摩書房)の表紙には、「ニーチェは答える。世界と歴史の時間にはどんな『意味』も存在しない。それにもかかわらず君は生きねばならず、『なんのために』ではなく『いかに』生きるかを自分自身で選ばなくてはならない」とあります。常に歯切れよく、深く鋭い洞察力、もやもやしていることを一言で明確に表し、不撓不屈の魂、現状より常に前進する意思などを刺激される方も多いと思います。

 ひとり情シスの方が、たった一人でトラブルに立ち向かい、絶体絶命の中で事態を収束に持ち込む際や、社内と経営層、加えてエンドユーザーの間に挟まれてしまうときなど、日々の苦労は枚挙にいとまがありません。そんなひとり情シスの方に当時の苦労話を聞いていたら、「まさにニーチェの言葉を常に心に持っています」という方がいらっしゃいました。私も少しはかじったことがありましたが、もう一度しっかり読むきっかけになりました。

ニーチェ全集の中の「ひとり」の文字は895個

 そして、『ニーチェ全集』(全19巻、ちくま学芸文庫)を早速購入し、読みふけったのでした。教養がなければ理解できない部分や、説明のロジックが難解な部分もあるので、大変苦労しました。正直、理解できていない部分も多かったです。しかしその中で、「ひとり」という言葉は、895個あることが分かりました。自分で調べただけなので、正確な数字かといわれると自信がありませんが、おおよそ正しいのではないかと思います。

『ニーチェ全集』(全19巻、ちくま学芸文庫)
『ニーチェ全集』(全19巻、ちくま学芸文庫)

 そして、その「ひとり」を含んだ部分をしっかりと読み、拙著『ひとり情シス』(東洋経済新報社)の行動指針に関係しそうな約100の文章に抜き出しました。その中には、厳し過ぎる言葉も少なくありませんでしたが、ほとんどは自身が苦しいときやひとりで判断を強いられるときなど、とても参考になると思われる言葉が散りばめられていました。

毎日ニーチェの言葉を知る

 そこからさらに厳選し、カレンダーに収まる31個の文章に絞り込みました。この作業は、とても難しいものでした。また、苦しいときに適したアドバイスもあれば、状況が良いときに聞いた方がいいものもあると分かりました。感情のバイオリズムは、28日周期で高潮期と低潮期が繰り返されます。そこで、この高低に合わせて、メンバーで意見交換しながら、言葉を並び替えました。

 もちろん、個人の感覚で選定しているので、人それぞれで意味の受け取り方は異なるかもしれません。全信頼を持ってお勧めできるものではありませんが、下記にその中から一部を紹介します。ひとり情シスの方が、孤軍奮闘している光景が目に浮かぶのではないかと思います。

  1. ただひとり判断能力ある審判者たり
  2. ひとりの人間の生涯はかくも長々とした課題と意図の遂行
  3. 高く登ると、わたしは常にひとりぼっちだ
  4. 公正中立にひとり立ちをつづける
  5. 偉大なもののみがひとり生き残る
  6. たけ高く、黙々として、厳しく、ただひとりして

お客さまの机で頑張っているカレンダー

 毎年10月の下旬に、私たちは「ひとり情シス大会議」というイベントを開催しています。前回は、参加者のお土産の一つに、「ひとり情シス・ニーチェ日めくりカレンダー」を用意し、会場の席上に置いておきました。最初は戸惑いもあったようですが、気に入っていただけたようで、とてもうれしかったです。その後、年賀状などで「ニーチェ日めくりカレンダーは、会社の机の上にあって、毎日見ています!」などの連絡をいただきました。日本全国で活躍してくれているのだと、制作に膨大な時間を費やしたのですが、その苦労が報われた気がしました。

「ひとり情シス・ニーチェ日めくりカレンダー」
「ひとり情シス・ニーチェ日めくりカレンダー」

 そして、そのうわさが少し広まり、カレンダーを希望する方が出てきました。あくまでイベント用に制作したものと、拙著『ひとり情シス』に目を通していただくことが望ましいと思い、ためらっていたのですが、今回、抽選で書籍とカレンダーをセットでプレゼントする運びとなりました。下記のリンクからお申し込みください。

https://www.dellemc.com/ja-jp/one-man-it/reprint/campaign.htm

清水博
清水博(しみず・ひろし)
デル 上席執行役員 広域営業統括本部長
横河ヒューレット・パッカード入社後、日本ヒューレット・パッカードに約20年間在籍し、国内と海外(シンガポール、タイ、フランス)におけるセールス&マーケティング業務に携わり、アジア太平洋本部のダイレクターを歴任する。

2015年、デルに入社。パートナーの立ち上げに関わるマーケティングを手がけた後、日本法人として全社のマーケティングを統括。現在従業員100~1000人までの大企業、中堅企業をターゲットにしたビジネス活動を統括している。アジア太平洋地区管理職でトップ1%のエクセレンスリーダーに選出される。著書に「ひとり情シス」(東洋経済新報社)。Amazon.co.jpのIT・情報社会のカテゴリでベストセラー。早稲田大学、オクラホマ市大学でMBA(経営学修士)修了。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SpecialPR

連載

CIO
月刊 Windows 10移行の心・技・体
ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
セキュリティインシデント対応の現場
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft Inspire
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]