インドのHCL Technologiesは2月26日、スペイン・バルセロナで開催中の「MWC」でIoTプラットフォームソリューション「iCE.X」を発表した。マイクロサービスアーキテクチャを採用し、IoTデバイスのリモート管理やエンドユーザーサポート、データ分析など多様な機能を提供する。
iCE.Xは、HCLが2017~2018年に米Cisco Systemsから獲得したIoTデバイス管理の「Cisco Prime Home」や「Cisco Service Control Engine」の技術をベースに、同社のデータ分析エンジンやIntelの「Secure Device Onboard(SDO)」などを組み合わせて拡張、開発したもの。当初は通信事業者やスマートホーム、スマートエネルギーなどの分野に展開する。
同プラットフォームでは、デバイス管理、ヘルプデスク、セルフサービス、セキュリティ、データ分析、サービス管理の主要機能を備えるほか、同プラットフォームを顧客企業が実装、運用できるよう支援するプロフェッショナルサービスも提供する。
「iCE.X」の主要な機能コンポーネント
デバイス管理では、TR-069プロトコルベースのIoT機器の自動的な検出と設定、管理ができるほか、セキュリティ面ではIntel SDOを活用したセキュアアップデートや脅威防御、サービス管理では、デバイスやアプリケーションの使用状況やトラフィック、ユーザー行動などに基づくサービス品質の把握や改善などを図ることができる。
データの収集や分析においては、高速データフローエンジンや独自の人工知能、機械学習エンジンを利用することにより、多数の機器から提供される膨大なデータをほぼリアルタイムに収集、蓄積、分析可能な技術を確立しているという。
エンジニアリング R&Dサービス コーポレート・ヴァイスプレジデント IoTビジネスヘッドのSukamal Banerjee氏は、「IoTプラットフォームには、業界単位やアプリケーション単位などの観点でそれぞれに特化したサービスが提供されているが、iCE.Xでは、例えば、ビルのスマートエネルギー管理から個人向けヘルスケアサービスの実現、高度なデバイス管理、データ分析まで導入用途に応じて活用できる柔軟性に特徴がある」と説明する。
またマイクロサービスアーキテクチャを採用することで、ユーザーが必要な機能モジュールを組み合わせて構築、導入でき、オンプレミスやAmazon Web Services(AWS)などのパブリッククラウドなど稼働基盤の環境も問わなく利用できるという。