NTT東日本、アクアビットスパイラルズ、エプソン販売、エヌケービーの4社は、訪日外国人観光客向けの飲食店プロモーションを3月11日から共同実証すると発表した。築地場外市場と函館で実施する。
店舗のガラス面で情報発信
築地では外国人観光客の数が年々増加しており、函館市も2018年度上半期の外国人宿泊客数が約22万1000人と2年連続で過去最高を更新している。しかし、外国人観光客は店舗前に置かれたメニュー表やサンプルだけでは店の情報を十分に得ることができず、結果として飲食店の店選びに時間がかかるケースがあるという。
加えて、店内では「メニューが読めない」「店員との意思疎通が困難である」といった課題もある。飲食店ではサイネージを活用して多言語で情報を発信するニーズがあるが、サイネージ用大型モニターなどは、スペースの問題で設置することが困難だとしいう。
そこで4社は今回、これまで活用が難しいとされてきた店舗のガラス面にスクリーンフィルムを貼り、クラウドサイネージ「ギガらくサイネージ」でコンテンツを投影することで、省スペースで低廉なサイネージ環境を構築する。また、情報発信デバイス「スマートプレート」にスマートフォンを近づけることでサイネージコンテンツを多言語で取得できる「連動型クラウドサイネージ」を提供し、飲食店の集客拡大に向けたプロモーションの実証実験を実施する。
築地と函館で実証実験
築地場外市場における取り組みは、築地魚河岸とSmart Refund築地場外市場のガラス面にスクリーンフィルムを設置し、ギガらくサイネージを活用して店舗情報や来訪者へのマナー喚起などのコンテンツを投影する。Smart Refund築地場外市場では、外貨の両替レートを優遇するクーポンや傘の割引クーポンも配信する予定だ。
函館においては、函館ベイエリアで海鮮食事処「いかいか亭」とショッピングモール「西波止場」のガラス面にスクリーンフィルムを設置。店舗や函館の情報を投影する。また、店舗間の回遊促進に向けて、連動型クラウドサイネージを活用してクーポンの配信を可能にする予定だ。
さらに、函館ベイエリア、どんぶり横丁市場、函館駅周辺、五稜郭周辺などでは、カメラアプリをリーフレットや店舗看板にかざすと、お店のメニュー情報などを多言語で得られるサービス「かざして案内」を提供し、訪日客の送客効果や利便性の向上を調査するという。
築地場外市場、函館どちらも3月11日から調査を実施する。終了日時は未定だが、かざして案内に関しては22日までとする。
4社は、外国人観光客に向けた飲食店などの情報発信において、今回の取り組みの本格展開を検討するとともに、さまざまな業種や業態で簡単に利用できるサービスの展開を図っていく。
実証実験イメージ(築地場外市場)出典:NTT東日本、アクアビットスパイラルズ、エプソン販売、エヌケービー
実証実験イメージ(函館)出典:NTT東日本、アクアビットスパイラルズ、エプソン販売、エヌケービー