ベンチャー企業こそプロジェクト管理ツールを活用すべき理由

松岡功

2019-04-11 07:15

 本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、米Microsoftおよび日本マイクロソフト(マイクロソフト)が提供するプロジェクト管理ツール「Microsoft Project」である。

プロジェクト管理に対する認識が足りない日本企業

 マイクロソフトがプロジェクト管理ツールのProjectを、クラウドサービスとして提供する割合が高まっているとのニュースが先頃、本サイトに掲載された。「Office」アプリケーションがクラウドサービス「Office 365」へ移行しつつあるのに同調した動きである。

 この機に、Projectにまつわる話を記しておきたい。筆者はこのツールを20年ほど前に知り、取材を進めるとともに普及状況に注目してきた。それというのも、プロジェクト管理を科学的手法で支援するツールとして、当時から欧米で広く使われてきたからだ。ただ、日本では欧米に比べて普及のテンポが鈍かった。それはProjectというツールの問題より、プロジェクト管理に対する日本企業の認識不足の表れだと、筆者は見ている。

 プロジェクト管理は、工程や品質、コストや労務、緊急時のリスクなどを体系的かつ科学的手法によってマネジメントしようという取り組みである。具体的には、ビジョンや方針に基づいて戦略、計画を策定し、時間軸、コスト、品質の面からプロジェクトの手順、技術、スケジュール、役割分担を決定。その後は、進捗状況、コスト、品質を的確に評価し、変更の必要が生じたときの対応もあらかじめ想定して、円滑に計画を進めようというものだ。

 さらに、筆者がかねて注目してきたのは、その科学的手法によって、プロジェクトにおける利害関係者(顧客や株主など)のニーズや期待を満足させることもプロジェクト管理の目的という捉え方である。これはすなわち、プロジェクト管理が単なる社内の業務管理面のニーズだけでなく、利害関係者からの期待やニーズに対応するためにも必要であるとの考え方である。

Microsoft Projectが格好のマネジメントツールに

 そうした捉え方に基づいて訴求したいのは、プロジェクト管理というと大企業が適用するものと見られがちだが、実は中小企業、とりわけベンチャーやスタートアップ企業にこそ非常に有効であるということだ。

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