Microsoftは米国時間4月18日、同社の「Progressive Web Apps」(PWA)開発ツールの新バージョンである「PWABuilder 2.0」をリリースしたと発表した。同社は5月6~8日に開催予定の「Build 2019」などで今後、PWAを大々的にアピールしていくと見込まれる。ただしこれは、ネイティブアプリの開発をおろそかにするという話ではない。
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同社はここ数年、「Windows 10」や「Microsoft Edge」ブラウザに対する包括的な取り組みの一環としてPWAへの対応に力を注いできている。ウェブサイトをアプリへと変えるツールであるPWABuilderは、同社のこうした計画で重要な役割を担っている。
PWABuilder 2.0では新たなデザインが採用されるとともに、ウェブプログラミングインターフェースなどの統合に用いることができる「snippits」も新たに導入されていると、米国時間4月18日付けのブログには書かれている。
PWABuilder 2.0には、「WebKit」で動作するAppleのデスクトッププラットフォームのサポート追加や、「Webhint」の統合、より多くの「Service Worker」オプションなど、バージョン1.9で利用可能になった機能が含まれている。また、開発者が自らのサイトにより多くのコンポーネントを追加してくれることを願って、そういったサイトを評価するための「PWA Builder Score」をハブページ上で提供している。PWABuilder 2.0のクリエーターらは、開発者が同ツールを使用することで、「Web App Manifest」やService Workerをただ用意するだけでなく、それ以上のことを実現できるようにもしている。また、認証やシステム統合、「Microsoft Graph」プログラミングインターフェースを通じたネイティブアプリにより近いUIといった、クロスプラットフォーム機能も追加できるようになる。
GoogleもPWAに力を入れてきている。PWAは基本的にはネイティブアプリのような動作/機能を提供するウェブサイトやアプリだ。Microsoftは「Westminster」ブリッジを用いることで、ウェブサイトやアプリを「Microsoftストア」アプリに変換する手段を開発者に提供してきた。同社は数年前からGoogleをはじめとする支持組織とともに協力してきている。MicrosoftがPWAを支持していると考えられる大きな理由は、品質の高いアプリをMicrosoftストア上で増やしていくうえで、PWAが役立つ可能性があるためだ。
Microsoftは2015年に、PWABuilderの前身である「Manifoldjs」をリリースしている。PWABuilderは、Microsoftが約2年前に始めたオープンソースプロジェクトだ。関係者によると、その後、MirosoftだけでなくGoogle、Mozilla、サムスン、Intel、Twitterをはじめとする企業によるコードや考えの貢献があったという。
PWABuilder 2.0のリリースを伝えるブログ投稿によると、開発チームはバージョン2.1に向けた作業を開始しているという。2.1の目標には、「Trusted Web Activity」(TWA)としてPWAをパッケージ化する新たな機能が含まれている。これにより開発者は自らのPWAを「Google Play」ストア上で公開できるようになる。この他にも開発チームは、デスクトップPCだけでなくモバイル機器に対するより優れたサポートも目標に据えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。