Microsoftの関係者は2017年に、「Windows 10」の2つの新機能、「Timeline」と「Sets」のプレビューを公開した。TimelineはWindows 10の「April 2018 Update」に搭載されたが、Setsは含まれていなかった。そして、Windows 10で再び目にする可能性はなさそうだ。
提供:Microsoft
Setsは、ユーザーがアプリデータやウェブサイトなどの情報をタブでグループ化できるようにするウィンドウ管理機能だが、筆者への情報提供者らによると、MicrosoftはSetsの計画を何カ月も前に断念したという。Microsoftは2018年に、一部のWindows Insiderテスターを対象にSetsのテストを行ったが、機能は概して高く評価されているわけではなく、理解されていないようだった。また「Office」のようなアプリをSetsとうまく連携させるには、Officeのエンジニアリングチームに多くの作業が残されていた。
Setsはその後、「May 2019 Update」(バージョン1903)に至るまでのテストビルドに再び登場することはなく、Microsoftの関係者は何カ月もSetsについて触れなかった。
MicrosoftのシニアプログラムマネージャーであるRich Turner氏は先週、「シェルで提供されるタブ体験は実現しないが、タブの追加には優先的に取り組む」とツイートした。
Turner氏は、タブをWindowsのコンソールで提供する計画について述べた、2018年4月13日付けのDevblogs.Microsoft.comの投稿について言及した。その時点でConsoleチームは、新しいSets機能をベースにWindowsのコンソールにタブを追加する計画だった。しかし、WindowsチームがSetsについて進めるのをやめることにしたため、Consoleチームはこの先、Setsをベースに利用せず、タブをコンソールに統合しなければならない。
Microsoftの関係者はSetsを発表した際に、この機能をWindows 10 April 2018 Updateに含めるかどうかは確定していないと述べていた。しかし、どこかの時点でWindows 10の機能アップデートで提供することを目指していた。
Microsoftが2018年に、「Chromium」ベースの「Edge」ブラウザの取り組みを開始した際に、同社はSetsを統合するために必要な作業をやり直すかどうかの選択を迫られた。Setsの統合についてやり直す場合、ChromiumベースのEdgeの開発が大幅に遅れていた可能性がある。もしくは、新しいEdgeブラウザにSetsが統合されるのは、リリースから何カ月も経ってからになっていただろう。筆者への情報提供者らによると、そうしたことを考慮して、Setsの搭載を見送る決断をしたのだという。
Setsのような機能を利用したいユーザーは、「Groupy」というStardockのアプリケーションを購入すれば、アプリデータやウェブサイトなどの情報をタブで整理できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。