Microsoftは、絶大な人気を誇る「Python Extension for Visual Studio Code」のアップデート版をリリースした。
この更新されたPython拡張機能は、Microsoftの「Visual Studio Code(VS Code)」のマーケットプレースからダウンロード可能だ。
Python拡張機能は現在、オンラインストアから800万回以上インストールされている。合計ダウンロード数は4100万回だ。次いで人気の高い「ESLint」「C/C++」などの拡張機能は、ダウンロード数が2000万回にも満たない。
Pythonは、データサイエンティストや機械学習アプリケーションが頼りにする言語となったが、「Windows」「macOS」「Linux」で利用できるMicrosoftの軽量なコードエディターであるVS Codeも、Google社内までをも含む開発者の間で、ちょっとしたヒットになっている。
MicrosoftがVS Codeをオープンソース化して1年後の2016年には、50万人の開発者がVS Codeを使用していた。2017年11月時点では、VS Codeを使用している開発者が毎月260万人を上回り、前年比で160%増加していた。
このMicrosoftのオープンソースエディターは現在450万人を超える開発者に利用されており、Stack Overflowが開発者を対象に実施したグローバルな調査では、最も人気の高い開発環境として2年連続でランクインしている。
一方、Pythonも圧倒的な人気を維持しており、Stack Overflowで最も質問された言語として、これまで常連だった「JavaScript」を抜き、首位となった。
更新されたPython拡張機能は、84件の修正が行われているほか、「Python Interactive」ウィンドウ内で変数エクスプローラーとデータビューアーを表示できるようになった。Microsoftによると、この新機能はユーザーからの「強い要望」に応えるもので、開発者とデータサイエンティストはアプリ内で変数の確認やフィルターが可能になる。
またPython Interactiveウィンドウで、「Jupyter」コードセルを実行する際に変数のセクションが表示されるようになる。起動しているセッションで使用されている変数の一覧が表示され、コードで使用する変数が増えるたびに自動的に表示する。
ユーザーは列のヘッダーをクリックして、表内の変数をソートできるほか、行をダブルクリックすれば、各変数の背後にあるデータをすべて確認できる。
Microsoftによると、データビューアーを使用するには、Python向けデータ分析ライブラリ「pandas」の0.20以降が必要だ。
ほかにも、「Python Language Server」やデバッガーの設定プロセスが改善されている。
MicrosoftがVS CodeのPython拡張機能を頻繁にアップデートしているのは、自社の開発者ツールを、人工知能(AI)に取り組むデータサイエンティストやプログラマーにアピールする取り組みの一環だ。2018年2月には、Pythonのディストリビューションとして人気を誇る「Anaconda」に、VS Codeを同梱すると発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。