横浜市、東京急行電鉄(東急電鉄)、NTTドコモ(ドコモ)、日本電信電話(NTT)の4者は6月7日、「データ循環型のリビングラボ」の一環として、たまプラーザ駅北側地区で実証実験を共同で行うと発表した。実施期間は、2019年6月15日から2020年3月16日まで。街の課題解決やコミュニティー活性化が目的だ。
実証実験では、地域住民が設定した地域課題「コミュニティー活性化」に対して、「まち歩きサービス」と「地域チャットボット」を活用する。まち歩きサービスでは、街の情報や写真をデジタル地図上に投稿し、住民のおすすめスポットやバリアフリー情報などを可視化・共有。地域チャットボットでは、地域に特化した情報をテキストでの会話形式で提供する。
これらのサービスから取得したデータを地域住民と共有し、ワークショップなどで活用する中で、ITサービスの導入・持続の可能性や、データの可視化・共有の効果を検証する。さらに、データの可視化・共有により、新たな街の課題や住民の要望を認識するきっかけを作り、地域住民が主体の活動を支援するという。
「データ循環型のリビングラボ」のイメージ(出典:横浜市、東急電鉄、ドコモ、NTT)
横浜市と東急電鉄は2012年から「次世代郊外まちづくり」に取り組んでおり、住民が主体的に街の課題を解決する手法「リビングラボ」を実践してきた。またドコモとNTTも街のデータを収集・可視化することで、コミュニティーの活性化を目指す「IoTスマートライフ」や、リビングラボの研究など、住民主体の街作りを支援するIT・IoT技術の開発・研究を行ってきた。その中でドコモとNTTは、次世代郊外まちづくりのモデル地区であるたまプラーザ駅北側地区に注目。4者は、地域団体や地域住民とともに同実験を検討し今回、実施に至ったとしている。
実証実験後は、その結果を踏まえて2021年ごろにITサービスを本格的な導入することを地域住民と検討する予定だ。横浜市と東急電鉄は、リビングラボの取り組みを進め、持続可能な街作りやSDGs(持続可能な開発目標)を推進するという。ドコモとNTTは、ITやIoTを活用した街作りの仕組みや、住民とともにサービスを生み出す手法の確立を目指している。
同実験における連携体制のイメージ(出典:横浜市、東急電鉄、ドコモ、NTT)