インフキュリオン、QRコード決済サービスにAzure活用--金融機関のDX支援

NO BUDGET

2019-08-30 17:22

 インフキュリオン・グループと日本マイクロソフトは8月28日、次世代金融プラットフォームにおいて協業すると発表した。第1弾として、QRコード決済に対応したウォレットSaaSシステム「ウォレットステーション(for Banking and Retail)」をパブリッククラウド「Microsoft Azure」上で提供を開始する。

 決済にかかる手間やコストを削減可能にするキャッシュレス化の需要が高まっているが、従来のキャッシュレス決済を支えるシステムはオンプレミス型であることが多く、導入スケジュールの長期化や稼働後を含めたコストの増大が課題となっていた。

 日本マイクロソフトは、Azureをベースにしたミッションクリティカルシステムの構築に関する技術的支援を行ったほか、マーケティングと営業活動を共同で実施する。

次世代金融プラットフォーム概要(出典:日本マイクロソフト)
次世代金融プラットフォーム概要(出典:日本マイクロソフト)

 ウォレットステーションのシステムインフラにAzureを採用することでキャッシュレス化に柔軟に対応するだけではなく、金融機関による購買データの活用が可能になるという。「Azure Backup」や「Traffic Manager」を用いることで、大規模災害の発生時にも国内リージョン内で24時間運用を可能にする。

 また、インフキュリオン・グループはウォレットステーションを構築した知見を生かし、日本マイクロソフトの「MPN for Industry パートナープログラム」が提供する産業向けリファレンスアーキテクチャー「Intelligent Banking for Payment」の策定に協力した。

 このリファレンスアーキテクチャーは、MPN for Industry パートナープログラムにおいて、Azureベースの人工知能(AI)やIoTなどを活用した、業種ごとに最適化したソリューションをテンプレート化して提供するもの。これによりユーザーのデジタルトランスフォーメーション(DX)に必要な工数や費用を最小化し、迅速に差別化したサービスの開発や革新的なビジネスの展開を可能にする。

Intelligent Banking for Paymentの概要(出典:日本マイクロソフト)
Intelligent Banking for Paymentの概要(出典:日本マイクロソフト)

 両社は今後、協業の第2弾として金融機関による加盟店向けのダッシュボード機能、融資申請機能の提供を2019年内に開始する。そのほか、新規プロダクトを迅速に開発するための「Azure DevOps」の適用拡大や学習済みAIである「Cognitive Services」を活用した画像解析による新たな決済体験の創出など、さまざまなサービスを駆使しながら事業開発を進めていく。

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