デジタル変革でIT部門の役割に変化--ビジネスとの関係性が鍵に

國谷武史 (編集部)

2019-12-12 06:00

 アイ・ティ・アール(ITR)は12月11日、年次調査の最新版となる「国内IT投資動向調査2020」の結果を発表した。10月に同調査の速報値が紹介されたが、正式版ではデジタル変革(DX)におけるIT部門の役割や、ビジネスとITの関係性などについてより詳しい現状が浮き彫りになった。

 19回目となる同調査は、国内企業に所属するITの戦略や投資の意思決定に関与する人材を対象に行われ、2826件の有効回答を得た。

 まずIT人材・組織面の動向では、2019年度時点で総従業員数に占めるITスタッフの割合が過去最高の7.1%だった。2003年度調査は3.5%たったことから、この16年間で企業のIT人材は2倍近くに増えている。

総従業員数に占めるITスタッフ比率の経年変化
総従業員数に占めるITスタッフ比率の経年変化

DX推進の主役はIT部門

 DXの現状については、「全社レベルで取り組むべき最重要事項」と考える企業が27%、「少なくとも部門・部署によって取り組むべき重要事項」と考える企業が34%で、半数以上がDXの重要性を認識していた。業種別では、「最重要事項」と考える割合が金融・保険、情報通信で3割を超えている。

業種別:デジタル変革の位置付け
業種別:デジタル変革の位置付け

 また、ビジネス状況との相関性で見た場合、ビジネスが「非常に好調」とする企業ではDXを「最重要事項」と考える割合が51%に達する一方、ビジネスが「非常に不調」とした企業ではDXを「最重要事項」と考える割合が18%にとどまった。2019年度のIT予算の増減(2018年度比)との相関性でも、増額する企業ではDXを「最重要事項」と考える割合が35%、減額する企業では同18%だった。

 DXの体制では、「推進の専任部門を設置」が15%、「既存部門が推進」が27%、「部門横断型のプロジェクトチーム」が19%と推進する体制を構築する割合が半数を超えた。「存在しない」は29%、「分からない」は10%。業種別では金融・保険、情報通信の推進体制の設置率が7割を超えていた。

デジタル変革を推進する専任部門/既存部門の人員構成
デジタル変革を推進する専任部門/既存部門の人員構成

 推進体制の人員構成は、専任部門型ではIT部門が64%を占め、既存部門型でも47%をIT部門が占めた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    初心者にも優しく解説!ゼロトラストネットワークアクセスのメリットと効果的な導入法

  2. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  3. セキュリティ

    「iPhone」の業務活用を促進!セキュリティ対策で必ず押さえておきたいポイントとは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Google が推奨する生成 AI のスタートアップガイド、 AI を活用して市場投入への時間を短縮

  5. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]