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海外コメンタリー

Linuxとオープンソースのこれまでと展望--5つの要素にみる

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-01-28 06:30

 筆者は、Linus Torvalds氏が大学院生だった頃からLinuxとオープンソースを追いかけてきた。まだ「オープンソース」が世の中で認知されておらず、「フリーソフトウェア」とオープンソースの間にあつれきが起きる前のことだ。Richard M. Stallman氏がGNU GPL(GNU一般公的使用許諾)を作ったばかりの頃から語られてきた物語の1つに、力は弱いが勇気のある者たち(オープンソースやLinuxの支持者)が、巨大な営利企業(最大の敵は悪の帝国Microsoft)と戦うというものがある。しかしその物語は、今や実態とはまったくかけ離れている。

 この物語は今も多くの人に愛されているが、2019年やこれまでのLinuxとオープンソースがどのような存在であったかを振り返ってみれば、筆者が言う意味を理解してもらえるだろう。2020年になった今、5つの要素から考えてみたい。

1.IBMがRed Hatを340億ドル(約3兆8000億円)で買収

 最初に挙げるべきは、IBMがソフトウェア企業の買収としては過去最高の金額でRed Hatを買収したことだろう。IBMは早くからLinuxを支えてきた企業の1つだったし、筆者の予想どおり、Red HatはIBMに吸収されるわけではなく、今後も独立性を維持していくという。しかし、世界をリードするLinux企業が、今やFortune 500で38番目の企業の傘下に収まったことは事実だ。

2.クラウドでのオープンソース

 10年前のクラウドは、現実的なものというよりも、マーケティングのための流行語のようだった。しかし近年、IDCは、世界のIT支出の3分の1がクラウド関連のものだとし、Gartnerは、2021年には世界の大企業の半数がオールインクラウド戦略を採用すると予想していた。

 では、クラウドでは何が動いているのだろうか。お察しの通り、Linuxだと言えるだろう。Microsoftでさえ、「Azure」のワークロードの50%以上でLinuxが使われていると認めている。また、クラウドサービスの大半では、Linux以外にもオープンソースソフトウェアが使われている。このことは、次の項目とも関係してくる。

3.クラウドVSオープンソース

 小さなオープンソース企業と巨大な悪の大企業との戦いという物語から派生した最新の物語が、勇気あるオープンソースデータベース企業と大手クラウド企業(つまりAmazon Web Services:AWS)の対立だ。この構図は、最近The New York Timesに掲載された、AWSがいかにオープンソースクラウドデータベースの世界を牛耳っているかを説明する記事によって世の中に広まった。MariaDBの最高経営責任者(CEO)Michael Howard氏は、大手クラウド企業は、コミュニティに還元することなしに「オープンソースの技術や企業から収奪している」などと述べている。

 このように聞けばドラマチックだが、オープンソースソフトウェアは、定義から言って本来誰でも利用できるものであるはずだ。DebianMozillaなどのパートナー企業によって支えられているOpen Source Initiative(OSI)は、「この『オープンソース』ソフトウェア開発に対する単一の標準的な定義がなければ、今のオープンソースはなかっただろう」と述べている。大企業も、小さな企業も、敵も味方も、誰でも使えるのがオープンソースだ。

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