新型コロナウイルスの感染拡大が続いている状況を考えれば、2020年9月にニューオーリンズで行われる予定だったITプロフェッショナル向けカンファレンス「Ignite」の現地開催中止は、多くのMicrosoftウォッチャーにとって予想の範囲内だった。しかしMicrosoftは、もっと先まで考え、2021会計年度中(2020年7月~2021年6月)の社外向け、社内向けイベントの多くをオンラインで実施する計画のようだ。
筆者が複数の消息筋から聞いた現在の計画に従えば、「Ignite 2020」「Ignite The Tour」「MVP Summit 2021」「Build 2021」「Inspire 2021」がオンラインのみでの開催になる。
Microsoftの広報担当者はすでに、2020年中のすべてのイベントをオンラインで開催する予定であることを認めている。
筆者の取材に対するMicrosoftの公式回答は、「当社はコロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらしている困難を鑑み、イベントの予定と戦略を修正している。2020年中の残る期間は、当社のパートナー、顧客、開発者に最高品質のデジタルファースト体験を提供する、新たなプラットフォームを試す機会とする予定だ」というものだった 。
Microsoftはまた、Ignite 2020のウェブサイトに、このイベントをオンラインのみで開催することを認める告知を掲載した。「Microsoft Igniteは、今年9月にデジタルイベント体験として開催される。ソリューションの構築や、インフラの移行と管理のための革新的な手法を学び、Microsoftのエキスパートや世界中のプロフェッショナルと交流する機会に参加してほしい」としている。
筆者はMicrosoftに対して、2021年の前半(2021会計年度の後半)に開催されるイベントについても、オンラインのみで開催される予定なのかを問い合わせた。広報担当者の回答は、「当社は今後もイベントの開催環境を評価していく予定だが、現時点ではそれ以上のことは言えない」というものだった。
Microsoftはすでに、2020年3月にシアトルで開催される予定だった、オフラインでのMVP Global Summitの中止を発表している。同社はまた、シアトルで5月中旬に開催予定だった開発者向けカンファレンス「Build 2020」と、ラスベガスで7月に開催予定だったパートナー向けカンファレンス「Inspire 2020」のオフライン開催を中止するとしている。Buildの例年の参加者は約5000人であり、Inspireには4万人、Igniteには2万5000人が集まる。同社はすでに、2020年のMVP Global Summit、Build、Igniteがオンライン形式のみの開催になることを明らかにした。