先行してPolarDBを展開する中国では、2億人の生徒を抱えるオンライン初等教育プラットフォームがPolarDBを活用することで約70%のコスト削減に成功している。学生向けシステムのため、利用者が皆無な夜半は(CPU/メモリーが)16コア/128GB、日中は60コア/470GBにスケールアップ/ダウンすることでコスト費用を削減した。
他の事例では中国製モバイルアプリケーションを運用するシステムを2ノード(8コア/32GB)から11ノード(32コア/256GB)へ30分以内にスケールアップすることで、通常時と比較して20倍の性能を必要とする、1日あたりアクティブユーザー(DAU)が50万に達した2019年元旦のイベント開催を乗り切ったと説明。また、別のモバイルアプリケーションもPolarDBに移行することで3倍の高速化を実現したという。アリババクラウド・ジャパンサービスはPolarDBの導入目標として、2020年内で100社を目標に掲げている。
以前から提供済みのAlibaba Cloud WAFだが、日本国内から利用する際はシンガポールリージョンのインスタンスを利用していた。今回新たに国内リージョンにインスタンスを配備することで、遅延時間を73ミリ秒から15ミリ秒に短縮。各セキュリティソリューションと統合運用することで運用負担を低減できるという。
リモートワークに伴う業務システムのオンライン化でセキュリティに関する不安や運用負荷に苦慮する、ある企業はAlibaba Cloud WAFを追加し、中国で遮断されるサードパーティー製ウェブ業務サービスの統合管理を実現したと説明。クローラーやボットによる最新価格の情報流出により利益率の減少に悩まされていたAirAsiaも、Alibaba Cloud WAFでクローラー&ボットを検知、遮断するとともに、ウェブアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃の排除でサービスレベルの向上を図っているとしている。
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Alibaba Cloudのグローバルバックボーンネットワークを利用するGlobal Acceleration 2.0は帯域幅の制御や低遅延、ジッタ(パケットの受信タイミングが乱れることで映像や音声が安定しない状態)の抑制、「TCP転送処理の最適化により転送速度は約10倍」(奥山氏)といった特徴を備える。